2003年10月1日(水)放送
【昔入った終身保険はどうする?】
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昔入った終身保険を新しく終身医療保険に変えるべきかどうか?ラジオをお聞きの方から質問を頂きました。
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まずそれぞれの保険の内容ですが、お便りによると…
◆現在の「終身保険」は…
保険料は月に8677円
55歳に払込が満了になるもので
死亡保険金は1300万円
5日以上の入院には1日に5000円給付
また医療保障は55歳の時に
37万円払うと80歳まで続く
◆「終身医療保険」は…
保険料は今と同じくらい
死亡保険金は700万円に減りますが
入院は1日目から5000円が一生涯続く
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要するに、新しい保険に変えると、死亡保険金は600万円減るけれど、入院時の医療保障は一生続く…さて、変えるべきか変えないべきか?
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これは、結論から言えば、「新しい保険に変えるメリットはあまりない」気がします。まず、今の医療制度では、70歳以上の老人医療では、それほどお金がかかりません。また、あなたが80歳になるのは、今から40年も先のこと。その頃に、5000円という貨幣価値がどうなっているか考えると、あえて80歳以上の医療保障を、今から買う必要はないのではないかと思います。
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それよりも、あなたの保険の見直しのポイントは、「この保険にいつ加入したか」。「終身保険」や「養老保険」「個人年金」「こども保険」等、貯蓄部分が大きい保険は、加入した年によっては、将来に貯金になる「お宝保険」が多い!
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「お宝保険」かどうかのポイントは、「積立している貯蓄部分の利回り」、いわゆる「予定利率」ですが、それは「いつ加入したか」によって変わってきます。
*「93年3月以前」に加入は「5・5%」
*「93年4月から94年3月」に加入は「4・75%」
*「94年4月から96年3月」までだと「3・75%」
これくらいでしたら、もうこんな高い予定利率で保険に入ることはないので、解約しないほうがいい。
*「96年4月から99年3月」だと「2・75%」
これは、条件次第では解約してもいいかも。
*「99年4月から01年3月」までだと「2%」
*「01年4月以降」は「1・5%」、商品によっては「1%」というものもあって、あまり価値はありません…
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ですから貯蓄性の保険に入っている人は、まず、加入した年から予定利率をきちんと調べて、解約するか、そのまま続けるか決めましょう。
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では、80歳まで保障を延長するために、55歳の時に37万円払うのはどうか?
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確かに抵抗はあるかもしれませんが、55歳時点で1300万円分ある終身保険を700万円の保障に落とせば、600万円ぶんの終身保険の積立金が返ってくるので、37万円をはるかに上回るお金が手もとに来るはず。医療の保険料を一括払いしても、なおかつ手元にお金が残ると考えていいでしょう。
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