気になるニュースを深〜く掘り下げます!

2006.08.27(日)付け情報
レポート・新タ悦男(TBSアナウンサー)
レポート・新タ悦男(TBSアナウンサー) 本日取り上げたとっておきネタ!をもう一度プレイバック!!

【怒濤の裁判ウィークでアノ芸術家たちが大活躍!!】
4日月曜日、証券取引法違反に問われた、ライブドアの前社長・堀江貴文容疑者の初公判が、東京地裁で行われました。
また水曜日には、第二回公判も開廷!
さらに、住宅強度偽装問題の姉歯秀次元一級建築士、木村建設社長の木村盛好容疑者の初公判など、世間を騒がせた、あのニュースの主役たちが裁かれる初公判が目白押し!
この状況を受け、カメラが入れない法廷の様子を、限られた時間の中で描く、法廷画家は大忙し!

日本では、裁判所内での撮影は、事実上禁止されています!
そこで、カメラの入れない法廷の様子を絵で表現しているのが、
ご存知・法廷画家の人たち。

そもそも、この法廷画家の人たちが日本で活躍するようになったのは、
昭和52年のロッキード裁判初公判の時。それまで法廷画は、
あくまで法廷内の配置図のようなものしかありませんでした。
しかしテレビの前の人に、裁判の様子をできるだけ細かく伝えるため、
日本でも、“アメリカの法廷画”にならって、
裁判中の様子が手にとるように分かる、
現在のような法廷画が描かれるように。

では法廷画家の人たちは、どのように法廷画を描いているのでしょう?
今日は、その仕事ぶりを調べてみました。
まず、何と言っても法廷画家の仕事は、スピードが命!
朝10時に裁判が始まった場合、午前11時半のニュースで放送できるように、法廷画家は絵を完成させなければいけません。
東京地裁から、イラストを放送局までの運ぶバイク便にかかる時間などを考えると、法廷画家に与えられた時間は、たった1時間程度!
その短い間に、2枚から3枚の絵を仕上げます。

そのため法廷画家の人たちは、裁判が始まってから5分〜10分で、
被告人と法廷内の様子を含めた、鉛筆書き(下書き)を仕上げてしまう そうです。
ただし、法廷画家たちが座っている傍聴人席は、なかなか被告人の顔を“真正面”から見ることができないんです!
そこで法廷画家の人たちは、被告人が入廷してから着席するまでのたった15秒程度の間で、被告人の顔をくまなくチェック!
ちなみに、ある法廷画家の方は、事前に被告人の下絵をおおまかに描き、当日の様子を見て微調整!
皆さんいろいろと工夫を凝らしています。
さらに時間短縮のために、ほとんどの法廷画家の人たちが、複数のカットを同時進行で描いていくそうです!
ここまでいくとまさに神業!
また法廷画家の人たちは、少しでもいい位置で被告人を見られるようにと、座る位置にもこだわっているとか。
こうしてたった10分程度で下書きを終えた法廷画家たち。
でも、彼らの仕事は、当然まだこれでは終わりません!
今度は、裁判中の法廷を慌てて飛び出し、記者クラブや中継車に向かいます。
そして、そこで色鉛筆やマーカーを使って色塗りをスタート!
時間ギリギリまで、絵の完成度を高めていきます。
このようにして、一分一秒に時追われながら完成するのが、皆さんが目にしている法廷画なのです。
10時開廷の裁判で、10時25分には色塗りまで完成していることもあるそうです。
そしてやっぱり気になってしまうのは、そのギャラ。
拘束時間半日から1日で夜の番組向けのカットも描いて、10万円弱くらいだそうです。