山本さんは大学卒業後、美術館に10年勤めている間に絵画史を本格的に研究したくなって一念発起、学習院大学の大学院に入り直し、近世絵画史を専攻。そこで美人画で有名な大阪の絵師・月岡雪鼎(せってい)の春画に出会ったそうです。
今、私たちの目に触れることのある春画はだいたい一枚の絵であることがほとんどですが、実際には12枚ひと組だったり、巻物になっているものもあって、これがすごく面白いそうです。
春画は、登場人物(特に女性)の表情がとても豊かなのも特徴的。私たちがよく見る美人画の女性はすまし顔ばかりですが、春画の男女はとても表情が豊かでびっくりします。
また、江戸幕府の「贅沢禁止令」は浮世絵で使う色の数や華美な絵も禁じたので、彫り師、摺り師、絵師らが、思いっきり自分たちの腕をふるう場としたのが、アンダーグラウンドで流通した非合法の出版物である春画でした。だから、春画のほうが自由にのびのびとやりたいようにやっていて、浮世絵よりもむしろ春画のほうが豪華さと芸術性を極めていったそうです。
春画というといかがわしいものと思ってなかなかじっくり見たことがなかった方も多いと思いますが、山本さんのお話を聞いていると、春画が断然魅力的に見えてきました。
今日の放送で久米さん、堀井さんが見ていた春画をお見せできなかったのが残念!
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