久米宏 ラジオなんですけど

「永続敗戦論」の話はややこしいところもあったんですが、勘どころをコンパクトな時間の中で表現できたと思います。

どうも僕の本の読者は高齢の方が多いようなんですが、それは大変嬉しいことではあるんですけど、若い人にも読んでいただかないと、これからの人たちですから。
今の20代、30代の人たちというのは「失われた20年」の中で育ってきた世代で、「戦後」が終わって「敗戦」が回帰してきた時代―まさに永続敗戦の中を生きているんですね。もちろん10代の人もそうです。
そういう世代の苦境の原因は、突きつめればどこにあるんだろうというのを考えてほしいですね。

それと、僕より上の世代に対してある種の憤りを感じるのは、「何でオレがこんなものを書かなきゃならないんだ」ということです。
それは、こういった戦後の問題を上の世代の人たちがついに解決しないまま今日まで来てしまったということだと思います。

今日はありがとうございました。