ことば
Q. 作文を早く書くにはどうしたら良いですか? (小2 女の子)
A. おねえさん:作文を書くのは好きですか?
女の子:好きじゃない。
長倉先生:ぼくも何冊か本を書いているんだけど、書く前は気分がすごく重くなっちゃって、つらいです。
おねえさん:いま、長倉先生のまゆげとまゆげの間にシワが寄っていますよ(笑)
長倉先生:作文は題が決まっているの? それとも自由に書いてもいいの?
女の子:自由。
長倉先生:自由だったら、ぼくは書けるよ。何か題を与えられるとつらいけどね。何を書こうかなとあんまり考えずに、目を閉じてさ、心の中で今、「ああ、いやだなぁ」と思っている事を書いても良いんだよ。心の中で「ああ、お腹が空いているな」とか。そういうことを何か思い浮かべて、ふっと心に思い浮かぶ事から書いてみたらどうだろう? そして、あまりうまくしようとか、最後をきれいに決めてやろうとか考えずに、そのまま、「今、お腹が空いている。食べたいのはコロッケだな」とか、「ホットドックを食べたいな」「前に食べたホットドックはおいしかったな」とか、「どうして、あんな味が出来るのかな」「また、食べてみたいな。今度、また誰かと行きたいな」とか、ふっと1つが浮かんだらね、また、ふっと続いて浮かんでくると思うな。それを書いていく。きれいな作文じゃなくても、思った事や、時には詩のようになってもいいし、俳句のようになってもいい。そういうふうに、あんまり形にとらわれずに書いたら良いんじゃないかな。
おねえさん:どう、今の先生のお話は?
女の子:うん…。
おねえさん:思いつくまでに時間がかかっちゃうのかな?
女の子:うん。
おねえさん:そうか。
柳田先生:もしかして、いやだなとか。時間内に書けなかったらどうしようとか、そういうことを考えている時間が長いのかもしれないね。長倉先生がおっしゃったように、うまく書こうとか、時間内に書こうと考えていると書けない。自分で面白いなとか、いやだなと思うこと。「わたし、作文書くの嫌いなんです」とか書いてみたらどう?
長倉先生:そう、「作文が嫌いだ」と書いてもおもしろいと思うんだ。
おねえさん:「時間内に書けるか心配です」と書いたりとかですか?
長倉先生:そう。わたしが先生だったら、ちゃんと点数をつけてあげますよ。
おねえさん:嫌いなことを書いても良いと思うと、気が楽になるかもしれませんね。今度は時間の心配をしないで、目を閉じて、浮かんできたものを書いてみるというのことをチャレンジしてみませんか?
女の子:は〜い。
長倉先生:さっき番組の最初の時にね、「秋は紅葉がきれいだ」という話をしたんだけど、そういうことをね、作文を書く時だけに考えるんじゃなくて、外を歩いていて「あっ、きれいだな」と思ったら、「今度これを作文に書いてみよう」というふうに、話題を自分の中でいくつか「貯金」みたいに持っておくの。そうすれば、いざという時に悩まないで書けるよね。
おねえさん:おもしろそう。「作文貯金」ですね。ぜひやってみて!
女の子:は〜い。ありがとうございました。

スタッフから一言:長倉先生が言われるように、楽しかった思い出を「貯金」して、それを作文の時間に書いてみてはいかでしょうか。今回、電話をしてくれたお友達は、「こども電話」に相談したことを次の作文の時間に書けば良いので、1つ「貯金」が出来ましたね。

フォトジャーナリスト 長倉 洋海先生/空想科学研究所 主任研究員 柳田理科雄 先生

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