ことば
Q. 外国の映画がテレビでやっていたんですが、英語で「ロボット」のことを「ロボッツ」と言っていたんですけど、どうしてですか? (小4・男の子)
A. パックン:英語の勉強してるの?
こども:あんまりしていません。
パックン:そうかぁ。でも、大丈夫だよ。いっしょうけんめい勉強している人でもこの点はなやみますよ。けっこうむずかしい。日本語と言うのはね、かならず言葉の最後に「ト」とか「ツ」とか「ナ」とか音のある言葉で終わりますよね。でも、英語はぎゃくに音にならずに、口の形だけで終わる単語があるんです。たとえば今言った「ロボット」。これは「ROBOT」と言って、音を出すのではなく、口を閉めて舌を歯のうしろに当てて息だけで言葉を終わらせるんです。どうかな、言えるかな?
こども:「ロボァッ」。
パックン:う、うまい!! ただ、まだカタカナの「ツ」と言ってしまっていますよね。その音もいりません。英語の「T」の音は息だけでOKなんです。
こども:「ロボァ」。
パックン:うーん、近づいてきました。あと、みんながこまるのが「シャツ」とかですね。シャツは1枚の時は「shirt」と「T」の音で終わります。だから最後の発音に「S」も「U」もつきません。あなたは「shirt」、言えますか?
こども:「・・・shirt」
パックン:おお、いい感じじゃないですかぁ。もうアラバマ出身ぐらいになっていますよ。耳がいい! 日本語でカタカナで書かれている言葉は、英語の本当の発音とびみょうにちがいますから、使うときは特に気をつけて欲しいですね。正確に発音するならば、一度英語のスペルを調べてみるといいですよ。
佐渡先生:音楽の世界もね、言葉の世界と似ているんです。音楽も四分音符とか八分音符とか音符が表す音の長さが決まっているでしょう。でも、なにもその長さどおりきっちりやることが正解じゃないんです。スタッカートという音を跳ねるように短くしなさいという記号もあるんですけど、どう短くするかでもいっぱいやり方があります。言葉にもアイウエオがあるでしょう。それに当てはめてしまうのとにていて、イタリアの音楽であったならイタリアの音楽風の終わり方があって、ドイツの音楽ならばドイツ風の音楽の終わり方があるんです。言葉にもきっといろいろな終わり方があるんですね。

英語の先生:パックン/指揮者:佐渡 裕 先生

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