にじを見るには、空気のなかに雨つぶがなくてはなりません。だから、あなたがにじを見たところは、雨があがっておひさまが出ていても、じつはにじのあるところには、まだ雨がふっていることになります。にじは、晴れているときに見られるものではないんです。
あなたが見たにじは、たぶん上半分のにじだと思いますが、その下の方にも雨がふっていたらにじが見えるはずです。でも、にじの下半分はちょうど僕らがたっている地面でしょう。というわけで、にじの半分は地面さえなければ見られるのです。にじがでるとき、あなたが空のもう少し上の1000メートルとか2000メートルとかにいたら丸いにじが見えていたはずです。
にじは、たいようの光が雨の粒のなかにはいってそれがいちどはんしゃして出てきたものです。だけど、おなじ水の粒でできたくもは、そのつぶが雨のつぶより小さすぎるから、太陽の光が一度入ったとしても外に出てこれないんだよね。だから、雲の中ではにじを見ることが出来ません。
気象予報士:大野 治夫 先生
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