みんなが学校でなにを勉強するかは、文部科学省(もんぶかがくしょう)がきめています。さいきんは、「ゆとり教育」といって、じゅぎょう時間をへらしているんです。どうしてかというと、「みんなが学校でいっしょに勉強することをギュッとしぼって、そのぶん自分で勉強したりしらべたりする時間をふやそう」ということなんですね。
その中で、円周率(えんしゅうりつ)は、教科書の中では「3.14」となっているけれども、ばあいによっては「3」として計算してもいい、としたんです。計算をかんたんにすることで「ゆとり」が生まれるようにしたんだね。
ただそれがいいかどうかはまだわかりません。キミも習ったと思うけど、円周率は3.14のあともずーっとつづいています。じつは、ぼくはその3.14のつづきをどこまで計算できるか、ということをけんきゅうしているんですよ。みんなも円周率って暗記(あんき)したりするよね。キミはどう?
こども:3.141592653・・・
お、すごいね!ぼくは、暗算(あんざん)したり、暗記したりすることは、頭のトレーニングになると思っています。でも、円周率が「3」になると、みんな暗記する気がなくなっちゃうと思うんだよね。
だから、じゅぎょうで先生が「円周率はずーっと無限(むげん)につづくんですよ」といってくれれば、みんな「どこまでつづくのかな」とか「無限って何?」ってきょうみをもってくれると思うんだけどなぁ。
でも、3.14のつづきを2061億(おく)ケタ以上も計算しているぼくとしては、3だけになっちゃうのはさびしいですね。
東京大学情報基盤センター教授・金田 康正 先生
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