しょくぶつ
Q. 食べられる実と食べられない実があるのは何でですか? (6歳 女の子)
A. 多田先生:食べられる実っていうのは、例えばどんな実を思っているのかな?
こども:なんかウリみたいなやつ。
多田先生:果物なんかも植物の実だよね。みんなが食べているみかんだとか、イチゴだとか、メロン、スイカも植物の実だよね。持ってカサカサっとして、乾いていてあんまり食べる気にならない実もあるよね。例えば庭に植えてあるお花なんかが実になったりしても、大体はカサカサってしてあんまり食べる気にならないよね。人間はその中で柔らかくて甘くておいしいものをフルーツ、果物として食べているよね。それで野生の中にも人間がフルーツって扱っていないけど、例えば桑の実だとか、野生のイチジクに近い仲間だとか、木のイチゴだとか、食べられるものもあるよね。人間からみて、食べられるというものと、鳥から見て食べられるかというのは必ずしも一緒ではないんだけど、食べたいかなと思うような実っていうのは、誰かに食べて欲しいから食べられるような形だとか、甘味だとか味をしているのね。例えば私たちが食べている果物は鳥だとか動物だとかが食べて、種を飲み込んだりして、うんちの中にポトンと落とす、そこから芽が出るのね。植物は動けないから、誰かに種を運んでもらいたいから、食べられるおいしい味だとか、甘い香りだとかそういうものをつけておくと、誰かが食べてくれて運んでくれるよね。だけども、タンポポってフワフワって飛ぶよね。ああいうのは、カサカサっとしていて軽いよね。あんまり食べる気がしないよね。そういうのは食べてもらって運ぶんじゃなくて、風に乗って飛んでいこうって思っているから、別に食べられなくてもいいんだよね。カサカサでも良いんだよね。鳥はね、丸飲みでごっくんしちゃうから、おいしくなくても分かんないの。苦くても、渋くても、酸っぱくてもあんまりね…。人間が食べておいしいのは自然界では猿だとか、熊だとかそういうケモノが食べている実が多いの。鳥なんかもね、大きな実を突っついて食べるときはね、やっぱり渋かったら食べにくいから、甘いのを選んで食べるけど、飲み込んじゃうものは人間が食べてみてもすごくまずかったりするのね。

東京学芸大学講師 多田多恵子 先生

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