しょくぶつ
Q. みかんの皮はどうしていいにおいがするの? (5歳 男の子)
A. 小泉先生:いいとこに気がついたと思うね。みかんの皮って本当ににおいが強いし、皮をむいただけで手がいいにおいになりますよね。あれはね、ちゃんとした理由があって、みかんの皮の中に入っている、いいにおいの成分は主にテルペノイドって言う成分なんですね、精油とも言うんですけど。そのにおいは、人間にとってはとってもいいにおいなんだけど、実はみかんを攻撃してくる昆虫にとっては、テルペノイドっていうのはあんまりよくないの。だからね、あのにおいがあると他の害虫がね、来れなくなってしまう。自分を守るためにああいういいにおいを持っているんですね。だから、ホントにね、においっていうものは、花にいいにおいがあるでしょ、あれはなぜかっていうと、花が受粉するとき、ムシに来てもらって、それで「ここにいいにおいがあるよ、みつがあるよ」って教える、そしてそこに行ってムシが受粉できるんですね。それと同じように植物のにおいっていうのは、必ずそこに意味があって、みかんにはテルペノイドっていうやつが他の害虫を寄せ付けないということで、だけどそのにおいが人間にとってはとってもいいにおいなんだけど、害虫にとって「くさいくさい、逃げろ」っということなんだね。

東京農業大学教授 小泉武夫 先生

[戻る]