しょくぶつ
Q. じぶんのうちにあるりんごの木につぼみが7、8個あるのですが、そのつぼみが花になったら、すべてに実がなるのでしょうか? (小5・男の子)
A.

ぜんぶの花には実はならないと思った方がいいと思います。せいぜい2、3個ですね。それぐらい実がなったらラッキーと思った方がいいです。実がなる植物にはお花に「おしべ」「めしべ」があります。おしべには、「花粉(かふん)」があって、この花粉がめしべにつくと実がなるのです。だから、10個の花があっても、ぜんぶ花のめしべに花粉がついてくれないと実はなりません。
花粉はだいたいの場合、虫がはこびます。虫が花にとまったとき、その花の花粉を体につけて他の花の所に飛んでいくのです。そのときに、ちがう花のめしべに花粉をつけてくれます。ところが、むかしにくらべて花粉をつけてくれる虫がとても少なくなっています。ちなみにきみはどこにすんでいるの?

こども:東京です。

東京はとくに、虫の数が少なくなっているよね。そうするとぜんぶの花に花粉をつけてくれることはあまりないと思った方がいいでしょう。虫がへってしまったことは農家の人たちもこまっていて、今では「人口受粉(じんこうじゅふん)」といって、人間の手でめしべに花粉をつけています。だから、きみも自分の手で花粉をつけてみるといいかもね。あともうひとつ、とても大きな問題があります。それは、りんごには自分自身の花の花粉では実がならないものが多いのです。ですから、本当は違うりんごの木がもう1本ほしいね。


園芸研究家:柳 宗民 先生

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