じつは、タネがついているブドウもそうでないブドウもタネをまいてつくっているわけではないんです。では、どうやって作っているのでしょうか。
ブドウというのは、切った木の枝を土にさしておくと根っこが出て育っていきます。この方法を「挿し木(さしき)」といいます。また、ほかのブドウの根っこにいい実のなるブドウの木をくっつけて育てる方法もあります。これは「接ぎ木(つぎき)」といいます。
これらの方法で育てているので、タネをまいているわけではないのです。みんな知っている通り、ふつうのブドウはみんなタネがありますが、たねなしぶどうは春に小さいフサができて花がさいた時、そのつぼみにとくべつな薬をつけるのです。
そうすると、大きくなっていっても、果肉(かにく)とよばれる実の部分だけ太っていって、タネはできないのです。その薬は「ジベレリン」というものです。たねなしぶどうはこのような方法で作っているんですね。薬を使わなければ、ふつうにタネのあるブドウができます。
園芸研究家:柳 宗民 先生
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