しょくぶつ
Q. どうしてくだものには水分が多いのですか? (小3・おんな)
A.

しょくぶつには実のなるものが多いんだけど、その中でうーんと水分をふくんでいる実を「液果(えきか)」といいます。
こういうものは、ふつう実の中にタネが入っています。ということは、水分たっぷりの中にタネがあるわけだから、ほとんど水の中にタネがあるようなものなんですね。だから、うっかりして実の中でめが出て育ってしまうとこまっちゃいますよね。でもね、実の中の水分には、めが出るのをおさえるものがちゃんと入っているんです。
そして、はじめはミドリだった実がじゅくしてどんどん色がついてきて、とりたちが「食べごろだな」ときづいて、食べてしまうんです。でもね、タネはとりのおなかに入ってもめを出すことなく、ひりょうになる「ふん」といっしょに外に出てくるんです。そのころには食べたばしょからはなれてるから、とおくにタネがおちて、新しいばしょに生えることができるんだよね。
それから、乾果(かんか)といって、くりやどんぐりのような実をならせるものもあります。このタイプはじゅくしてくるとバラバラと木からおちたり、リスが食べてくれたりするんです。でもね、リスはとっておくためにかくしてしまうんですね。そうすると、そのかくしてあるところで、めが出たりもするんです。
どちらにしろ、水分をたっぷりにしたりして、とりやリスに実を食べてもらって、自動的にタネをまいてもらえるようになっていったのかもしれません。


園芸研究家・柳 宗民 先生

[戻る]