アジサイという花を知ってますかこれから咲いてくる、梅雨の時期の代表的な花ですよね。アジサイの中でも2種類あるんですよ。

1つは小さい花が集まってひとつのボールみたいに丸くなるアジサイと、もう1つは、そのボールのまわりにだけ花があるように見える、「ガクアジサイ」という種類なんです。

このガクアジサイっていうのはね、花のように見えている部分は実は花じゃないんですよ。あれはね、「ガクベン」といって、花びらの下に隠れている「ガク」っていうのがあるんですけど、それが色づいて花のように見えているものなんですね。そういったものを「装飾花（そうしょくか）」といいます。

つまりガクアジサイの「花」というのは、本当は真ん中の小さい花たちのことなんですね。そのまわりに装飾花が開いているんです。そのようすが額縁（がくぶち）のように見えるので「ガクアジサイ」という名前になっているんですよ。

ほかにも同じように、花びらがすごく退化して見えなくなっているような花がたくさんあります。例えば、ハナミズキやドクダミなどもそうなんです。ドクダミの白く見えているものは花じゃないんですよ。他にも花びらがあるのかないのか分からないものなどがあるので、そういった花を山に行ったときなどに観察してみると楽しいと思いますよ。

日本花の会・和田　博幸　先生