キミは梅干しを食べたことがあるかい?
こども:うん
どういう味がした?
こども:すっぱくってね、ちょっとしょっぱかった。
そうそう、そうなんだよ。実は、梅干しがどうして腐らないのかというのも、この「すっぱい」と「しょっぱい」の2つに関係があるんだよ。梅干しをつくると「梅酢(うめず)」というのができるんだけれどもね、これがすっぱさのもとで、「酸(さん)」というものなの。でね、この「酸」というのはバイ菌などを殺してくれる効果があるんです。
それと、お塩もそうなのね。お塩というのも、他のバイ菌を殺してくれちゃう作用があるんだよ。だから、梅干しをつくるときには、まず梅の実を塩漬けにして塩をしみ込ませるの。で、「酸」はもともと梅が持っているんです。それで両方で梅干しを漬けてつくるわけね。
それでね、腐るというのは、「腐敗菌(ふはいきん)」といって、ものを腐らせる菌がたくさんいるわけだ。腐敗菌がとりついて増えてしまうと、ものが腐っちゃうのね。ところが梅干しは、バイ菌を殺す効果のある「酸」と塩で漬けるから、両方の効果で腐敗菌が増えなくなっちゃうの。それで腐らないんだよ。
お弁当で、白いごはんの真ん中に、梅干しをポンとひとつ入れることがあるでしょう?これにもちゃんと理由があってね、お弁当箱の中にごはんを入れておくと、ごはんの熱でお弁当箱の中の温度が上がっちゃうんだ。温度が高くなると、さっき話した腐敗菌が増えてしまうの。でも、そこに梅干しを入れておくと、腐敗菌が増えずに、腐るのを防ぐ、という意味があるんだな。
梅干しは健康食品なんだよ。色々な効果があってね、1日ひとつ食べると体にいいとも言うから、キミも嫌がらないで食べてごらん。
園芸研究家・柳 宗民 先生
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