しょくぶつ
Q. 去年はチューリップが咲いたのに、今年は咲かなかったの。どうしてですか? (小3・おとこ)
A.

そっかぁ、葉っぱだけで咲かなかったのか…残念だったね。

チューリップは春に咲く球根草花なの。球根ていうのは大きく太るでしょう?あれはね、中にうんと養分がたまっているのね。そしてじゅうぶん養分をためて太ると、チューリップなんかはね、6月末ぐらいなんだけど、来年の春に咲く花のもとになる「花芽(はなめ)」というのが球根のなかにできるの。

ところがね、これがね、栄養が足りなかったりして球根がちっとも太らないと、この花芽ができないんです。だからね、春に葉っぱがでてきたのに花が咲かないのは、その前の年に球根がよく育たなかったという証拠なんです。次の年になると花が咲かないっていうのは、チューリップには、よくあるんだよ。

それで原因を調べてみるとね、まず、葉っぱを切っちゃだめなの。葉っぱで養分を作って、ためるからね。だから葉っぱを大事にすること。日当たりのいいところで育てること。それとね、チューリップの場合はね、やっかいな病気にかかるんです。ウイルスというのを近ごろよく聞くけれども、それによる病気に、チューリップは非常によくかかりやすいんです。これにかかるとね、葉っぱを切らずにちゃんと肥料をやって日当たりのいいところで育てても、球根がよく太らなくなっちゃうんです。そうすると春に花が出てこなくなっちゃうの。

実は、不思議なことなんだけど、日本海側の新潟県や富山県で作ったチューリップっていうのは、この病気にあまりかかっていないんです。で、秋になると、その球根を売ってるんだ。

だからね、きみの球根はたぶん病気にかかっちゃっているだろうから、これは一度処分しちゃって、新しい球根を買って植えた方が、いいと思います。残念だけど、チューリップだけはそうなの。だから、今の球根は処分して、秋に新しい球根を買って育てれば、来年の春には、きっと素晴らしい花が咲くと思いますよ。


園芸研究家・柳 宗民 先生

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