楽器(がっき)のはじまりは、みんなになにかを知らせるために、なにかをたたいて音を出したのがはじまりでした。昔の人はさいしょ、「だれかきたよ〜」とか「火事だよ」ということを、とおくの人につたえるために木をたたいたり石をたたいたりしていたんです。それがだんだんいろいろなかたちにわかれてきました。あなのあいているドングリなどにいきをフッとふきこんで音をならしたりして、「私がふいて音を出すから、あなたはたたいて音を出してね」というように、いろいろなかたちで音をあわせるようにもなったんです。ちなみに、音をあわせることをむずかしいことばで「アンサンブル」といいます。そうしたことが、楽器のはじまりです。
そして、楽器は人がいるところにはかならずあります。ぜんせかいにあります。ないところはないですね。たとえば、ピアノ。けんばんをたたくと音が出るよね。あれは弦楽器(げんがっき)というしゅるいの楽器なんです。じつはね、アフガニスタンがいちばんはじめの弦楽器を作ったところなんです。知ってた? そのいちばんはじめの弦楽器が西のほうにながれて、バイオリンやピアノになり、東にながれて三味線(しゃみせん)になったりしたのです。アフリカなどでは、いまも木をただたたくという楽器もあるし、たいこも多いですね。ぼうでたたいて音を出すのもあれば、「ジャンベ」といって手でたたくのもあります。楽器屋さんでは「民族楽器(みんぞくがっき)」とよばれるめずらしい楽器もたくさんあるので、一度お母さんやお父さんにつれて行ってもらうといいですね。
旅芸人:福尾 野歩 先生
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