にんげん・せいかつ
Q. 月・水曜日はいつも午後6時にお母さんと待ち合わせをしますが、お母さんがいつも遅刻をします。どうすれば早く来てくれますか? (小3、男の子)
A. おねえさん:お母さんは間に合わないの?
男の子:うん、遅刻するの。
おねえさん:遅刻するんだあ。君はいつも午後6時に行ってるの?
男の子:うん。
おねえさん:一緒に帰る約束をしてるんだね。
男の子:学童が6時に終わるから、6時に待ち合わせしてる。
池上先生:その前にお母さんは働いているのかなあ?
男の子:うん。
秦先生:あ〜、それは大変かもしれない。
おねえさん:学童の中で待ち合わせしてるの?
男の子:自宅マンションのフロントです。
池上先生:お母さんが働いているから、君は学童に行って、6時にマンションに帰ってくる。そこでお母さんと待ち合わせをして、家に入ろうとするんだけど、お母さんが遅れてくる。そういうことかな?
男の子:うん。
秦先生:そうなんだ。お母さんはね、きっと、お仕事をちゃんと終わりにして帰りたいのよ。きっと仕事場でも凄くみんなに「あ〜、頑張っているなあって、みんなに凄い人だなあって思ってもらってる人だと思うの。そのお仕事をちゃんとやって、6時に戻って来たいといつも、絶対思っているの。
だけど、これやって、それからって時にお仕事だと電話がかかってきちゃったりするのよ。そうするとね、行きたいって気持ちはあるんだけれど、体は2つないから、「分かりました。じゃあ、これやって帰ります」となるとさあ、待ち合わせに遅れちゃうの。でもねえ、君のことを凄く好きだから、お母さんも本当はこの時間に間に合うように帰ってくるよう、一生懸命に仕事をしていると思うの。それでね、方法としては、お母さんとの待ち合わせをちょっと、ずらすといいと思うの。待ち合わせを5時30分にする、そうすれば6時に来るかもしれないでしょ。
おねえさん:お母さんは何時に仕事が終わるか分かる?
男の子:分からない
おねえさん:お母さんはいつも急いで来るの?
男の子:うん、走ってくる。
秦先生:じゃあ、それはねえ、お母さんは大変なんだよねえ。だから本当に危険じゃないところに待っていれば、いいと思うんだけど、そのマンションは1階の中に入れる方法はないの?
男の子:う〜ん。
女の子:鍵がないと入れない?
男の子:うん。
秦先生:そっか、そうしたら鍵もう1つ作ってもらうという方法があるんだけど、それを君がちゃんと持ってられるかっていうのが問題だね。でも、段々と大きくなっていくんだから、もうちょっとの我慢という気もするんだけれどね。
池上先生:そうですね。まず、お母さんとお話をしてみて、6時の待ち合わせが、お母さんが大変そうだったら、ずらしてみることもある。
例えば、そういう時は、6時9分にしましょう、とかね。6時12分にしましょう、とか。つまり、6時ということになると、だいたい6時ねと、だいたいに思ってしまうんですよ。
これが5時54分に会いましょうと言われると、なんとしてもそうしましょうと思うんです。
秦先生:うん。それは凄くある
池上先生:だから6時の待ち合わせがお母さんにとってつらかったら、お母さんと話しをしてみて、「6時10分くらいだったら大丈夫?」と聞いてみて、お母さんが大丈夫だよって言ったら6時10分にしましょうとね。
私も、その時間に出られるだろうと思って、よく、子どもたちと、「じゃあ、今日3時に出かけるわ」とか言って、結局そこに電話がかかってくると、3時3分になったり、3時5分になったり、子どもたちは3時に出かけようと一生懸命に支度して玄関で待っているのに、結局私が待たせちゃうってこともあるの。
だからすごくお母さんの気持ち分かるのね。それで、お母さんはのんびり鼻歌を歌いながら来るんじゃなくて、一生懸命走ってくるわけじゃない。遅れるのはたしかに悪いんだけど、気持ちは分かってほしいなあって、お母さんの私はすごく思う。
だから、このことだけは、分かってほしい。でも、だからといって、遅れていいわけじゃないから、さっき池上先生がおっしゃったように、6時9分とか、そういう時間に待ち合わせっていうのは、グッドアイデアだと思いますねえ。
おねえさん:ぜひ、この作戦やってみて!

シンガーソングライターの秦万里子先生/フリージャーナリストの池上彰 先生

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