にんげん・せいかつ
Q. 友達の2人がケンカしていて、仲直りをさせてあげたいのですが、どうしたら良いですか? (中3、女の子)
A. おねえさん:どのくらいケンカしているの?
女の子:小学生のころから続いていて、結構、くっついたり、離れたりで。私が知り合ったのは中学生のときなんですけど、今もケンカをしていて、目を合わせただけでも、「ふん!」みたいな感じで顔をそむけるみたいなんですよ。それにあんまり、しゃべらなかったりとか…。
兵藤先生:どうして仲良くさせようと思うの?
女の子:両方とも私のほうに来なよとか、言われて…。
おねえさん:私の味方になりなよということかな?
女の子:はい。
兵藤先生:ケンカの原因は何か知っていますか?
女の子:ケンカの原因は、片方のほうは、あんまり意見を言わない子なんです。もう片方のほうはバンバン意見を言っちゃう子で、それでいざこざがあったみたいで…。
井上先生:あなたがその2人と仲良くなりたいことと、その2人が仲良くなることは関係ないと思う。あなたがそれぞれ仲良くなれば良いじゃないかな。その2人も仲良くなってくれればいいんだけど、ぼくの周りにもよく起こることで、難しいことなんです。
おねえさん:それぞれから、私の味方になってといわれると困りますよね。
井上先生:両方の味方をしないことですよね。
おねえさん:う〜ん。
あさの先生:正直、2人のうちでどちらが好きとかあるんですか? それとも同じように好きなんですか?
女の子:同じようにです。両方とも悪いときがあるので…。
あさの先生:あなたはその2人以外にもお友達がいらっしゃるんですよね。
井上先生:でも、すごく分かる。例えば、Aというお友達とBというお友達をあなたが好きなんだったら、そのAとBのお友達もお互いに好きになってほしいと思います。なかなかなれない。なぜなれないんだろうね、人間って。
だから、その人は別の人だから、自分じゃないから。あなたは、このAさん、Bさんじゃないからね。ぼくもいつも、あなたのような立場に立ちますね。
兵藤先生:だから、よく言う友達の友達はみな友達でというのはうそですね。みんな、別々だから、みんな個性があって、みんな私が一番と思っている子が多い。みんな同じようだったら嫌でしょ。だから、その友達が「私の味方して」といったら、「それは別。私はあなたのこと好きだし友達だけど、あなたともう一人の友達がケンカしているのは別、関係ないからね」といったほうが、これから先、付き合いやすいよね。みんな同じようにつるんでいると、「誰々さんが新しい洗濯機を買い換えたのよ、じゃあ、うちも買い換えなくちゃ」という、悪連鎖になってしまうことあるんでしょ。男女、みんな同じじゃなくては嫌というのはうそだよね。
まあ、昔の日本は、そういう風にしないと生きていけないところがあったけれど、自分は嫌だと思っても「はいはい」という顔をして、付き合っているところがあった。でも、いまや、グローバルな、世界中が、日本だけで孤立しているのはだめですよと、鎖国は明治維新で解いたはずなのに、実は解いていなかったというようなところがあるからね。
やっぱり、解き放たないと人間やっていけなくなっているの。特に日本人は。だから、みんなで私と同じものを持ちましょうねとやっていたら、共倒れになっちゃうよ。自分で代表できる人間になっていかないといけないから。そういう意味では、あなたは彼女たちに対して、仲良くしなさいというよりはみんな別だから。あなたとは仲良くするけど、友達と他の友達が仲が悪いのは関係ないよと、言える第一人者になれば、世の中、そうなっているのかと他の友達も気付くかもしれないですね。
あさの先生:でも、あなたの気持ちがどうなのかというのが一番大事ですね。誰を大切に思っているか、自分の今を誰と友達になりたいかとかね。

タレントの兵藤ゆき先生/作家のあさのあつこ先生/指揮者の井上道義 先生

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