にんげん・せいかつ
Q. パパはどうして怒ると、私をぶん殴るんですか? (小3、女の子)
A. 青島先生:えっ! ぶん殴るってどれだけ強く殴るの?
女の子:怒ることは少ないんだけど…。とにかくゴン!って。
おねえさん:頭かな?
女の子:そう、頭。ゲンコツで。
青島先生:痛いですか? 泣いちゃう?
女の子:うん…。
青島先生:私、こういうことだと思います。あなたはお父さんの子であって、お母さんの子でもあるよね。だから、あなたのお父さんは、あなたの半分は自分だと思っているわけ。だから、自分の頭を殴っているようなものだから、半分はかわいいと思って殴るけど、すごく痛いときは止めてと言ったらどうかな?
女の子:…。
おねえさん:どんなことをするとお父さんにぶん殴られちゃうの?
女の子:すごく悪いこととか、パパに質問されても黙っているとき。
大橋先生:ぼくはパパが100パーセント悪いと思う。あなたは悪くない。これはママからパパに言ってもらって、どうしてもぶたなければならないときがあったら、頭は止めてください。お尻です。これは世界共通で、頭をぶつのは日本ぐらいなものです。頭をぶって、頭が悪くなったらどうするんですか?
 これは世界どこに行っても、私が知っている限りの国、アメリカやイギリス、ニュージーランドとかカナダでは頭は殴りません。お尻ペンペンです。英語で「スパンキング」と言うんだけど、お尻を平手で打つことでさえ、問題になるぐらいなんです。
ぼくの話だけど、ぼくのお父さんは殴らなかったんです。なぜ、殴らなかったのは、口
で言ってもわからないものは、殴ってもわからないと言うのが私のお父さんの考え方だったからなの。だから、わたしも娘がいますけど、一度も手をあげたことはありません。あなたも女の子だから、ぶっちゃいけない。ですが、お尻ぐらいなら、どうしても口で言ってもわからず、お尻を叩けばわかると言うなら仕方がないです。でも、頭は絶対だめです。お父さんも聞いていたら、頭は止めてください。頭は大事ですから。
女の子:彼女はもう9歳になっているわけだから、お尻もペンペンするのも少し大きいかなと思いますけど、大丈夫ですかね?
大橋先生:大丈夫ですよ。だから、頭とか胸とか、眼とか顔とか危ないところは止めてください。私は女の子に手をあげるのは反対だな。
おねえさん:彼女がお父さんとちゃんとお話ができれば、叩いたりしなくても良いということもありますか?
大橋先生:だから、口で言って、わかるようにするのがお父さんの義務で、それをよく聞くのがこどもの義務だとすれば、お父さんは「これだけ言ってもわからないのか!!」とポカンとやるかもしれないけど、それは職場放棄です。お父さんとしては、難しいと思うけど、しっかり分かるように説明してあげてください。
おねえさん:彼女はどうして殴られるのかその原因を知りたいんですけど、それは…。
大橋先生:原因ですが、彼女がよくわからないで、彼女が答えられないぐらいで殴ってはだめですよ。例えば、物を盗むとか他の子をぶったりとか、人を傷つけることをしたときには、痛い思いをさせるためにお尻を叩くとか、立っていなさいとかなら良いけど、お父さんの話を聞いていて、返事をしないぐらいでぶってはだめです。
 だからね、お母さんにお父さんと話し合ってもらって、どうしてもぶたなければならないときは、お尻ペンペンにしてもらってください。

大橋巨泉先生/作曲家でピアニストの青島広志 先生

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