にんげん・せいかつ
Q. 写真を撮られるときに、どうしても笑ってしまうのですが、真面目な顔で写るにはどうしたら良いですか? (小4、男の子)
A. おねえさん:カメラを向けられるとニッコリしちゃうんだ?
男の子:はい。
おねえさん:君はどういうときに真面目な顔で撮られたいのかな?
男の子:集合写真とか…。回りがまったく笑っていないのに笑っちゃうから…。
おねえさん:何かおもしろいことを思いついちゃうのかな?
男の子:自然に笑っちゃう…。
長倉先生:これはすごく簡単で、カメラに気付いて笑ってしまうのだから、「ぼくが気付いていないときに撮って」と、言えば一番簡単だよね。
でも、例えば、何年も経ってその集合写真を見たときに、君が一人だけ笑っていたら、目立っていて楽しいと思うけどな。
柳田先生:ぼくの想像ですけど、君はそういう時の写真に真剣に写らなくてはいけないと思っているんじゃないかな?
男の子:思っていないです。
おねえさん:これは「ガハハ」と笑っているの? ニッコリしているの?
男の子:ちょっと苦笑い的な…。
長倉先生:ちょっと照れくさいのかもしれないね。
おねえさん:君は1人で写る時は真面目な顔が出来るの?
男の子:その辺は大丈夫です。
中山先生:じゃあ、1つやってみると良いと思うのは、鏡に自分の顔を映して自分でこの顔が一番真面目だなと言う顔をしてみて、それを自分の顔の筋肉で覚えるわけですよ。そういう風に顔をひきしめると、こういう顔だって覚えるの。俳優もそういう風にしている人は多いですよ。だって、お芝居で舞台に出て、自分がどういう顔をしているか分からないわけでしょ。
いざ写真に写る時になって、それを思い出して、その真面目な顔をすればうまくいくんじゃないかな。
柳田先生:でも、あんまり真面目な顔の練習をすると、写真を撮る時に我慢できなくなって、ワッて笑ってしまう、吹いてしまうこともあるかもしれませんね。
長倉先生:カメラマンのぼくから言うと、笑って良いじゃないかと思うの。というのは、カメラマンはその人の「地(じ)」が撮りたいからね。カッコいいところばかり見せようとするよりも、その人の心が「ふわっ」と出たときにシャッターを押すの。
 だから、そうやって、地で出た笑いはすごく良いと思う。ただ、君がちょっとカッコ悪いとか、もっと良いところを見せたいと思ったら、今、中山先生がおっしゃったように、自分で鏡を見て、どの角度が良いか研究するとかね、ぼくは中学生のとき、それをやっていました(笑)

フォトジャーナリストの長倉洋海先生/空想科学研究所主任研究員の柳田理科雄先生/作家の中山千夏 先生

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