にんげん・せいかつ
Q. ぼくは体重が105キロあります。ダイエット方法があったら教えてください。 (中3、男の子)
A. 無着先生:あなたは街に住んでいるの? 田舎に住んでいるの?
男の子:少し田舎の方です。
無着先生:あっ、それは良かった。なるべく田舎に住んでね、野良仕事とか手伝ってくれたら良いんですけど。あなたのお家の仕事は何ですか?
男の子:両親、二人とも看護士です。
無着先生:それじゃあ、ますます、話が分かると思いますよ。私はお坊さんだから、たくさんお経を読んだわけね。お経の中にはね、自然現象、大自然の中で生きている動物には太りすぎというのはいないんですよ。
 サバンナに住んでいるライオンだってね、キリンだって、象だって、大きいけど、太りすぎている友達はいないんですって。太りすぎているのは人間だけなの。
 もしも、太りすぎの動物がいるならばね、動物園で飼われている動物なんですって。勝手に人間がエサを与えすぎてしまうから、太りすぎてしまうんですよ。大自然の中では、自分が食べたいなと思う食糧の7分通りあるかどうかなんですね。サバンナだろうが、山の中だろうがね。だから、みんな非常に筋肉が発達していてヒョウなんかもかっこいいでしょ。スーッとしていますでしょ。ライオンだって太りすぎているライオンはシマウマに追いつけないんですって。
 毎日、ご飯を食べる時は自分が食べたいなと思う8分、できたら7分。食べたいと思ったら、7分ぐらいで我慢する。太りすぎるのは我慢しないから。今のこどもは大体太りすぎなのね。食べたいと思ったら、すぐ食べちゃうんですね。食べたいものがなければ良いわけよね。
おねえさん:君は結構お腹いっぱいまで食べちゃうの?
男の子:食べますね。
無着先生:食べ過ぎると、だんだん太って200キロになっちゃうかもしれませんよ。そうしたら動けなくなりますよ。毎日、腹8分目ぐらいって考えてください。それと、大事なことはね、これはお経にもあるんですけど、食べ物というのは全部、お命なの。お米さんの命、麦さんの命。牛肉のしゃぶしゃぶなんてのは、あれは牛を殺さなければいけないのよ。全部あなたは命を食べて太っているのよ。
 太りすぎと言うのは、「俺、何かを殺しながら食べていたんだな。ああ、本当に人間って残酷だな」って思うの。テレビの料理番組を見ていると簡単に殺しているでしょ、魚なんか。本当に人みたいに残酷な動物いないと思うの。君も太りすぎだなと言うことは、俺、残酷なんだなということを心に思って、コントロールした方がいいよ。自分自身をコントロールできないから太りすぎなんです。永さん! そんなとこでよいかな?
永先生:(笑)無着さんね、小学生、中学生がダイエットという言葉を使っているのがさびしいですね。
無着先生:さびしいな!
永先生:君はスポーツやっていないの?
男の子:柔道をやっています。
永先生:なら、頑張ろうよ! 太るんじゃなく筋肉をしめるのに役に立つからね。
男の子:はい。

泉福寺住職の無着成恭先生/放送タレントの永六輔 先生

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