にんげん・せいかつ
Q. 最近、エコのカバンなどを買う人が多くなってきたと思います。なぜ、急にこんなに環境問題にみんな食い付くのか、不自然で恐いと思いまして…。 (中3、男の子)
A. おねえさん:自分でそういうカバンを買ったりすることはあるのかな?
男の子:ぼくはひねくれている方なので、そういうことはあんまり…。
広瀬先生:君はひねくれていると言いますが、ぼくもひねくれているかもしれません。ひねくれている人というのは他の人がやらないことを考えたりする人でそういう人がいないと世の中がね…。
森田先生:きょうの先生はみんなひねくれていますよ。
おねえさん:じゃあ、きょうはひねくれ三人衆ですね(笑)
広瀬先生:例えば、舟をこいでいる時にみんなが一所懸命こいでいる中に一人だけこがないで遠くを見ている人がいたとするよね。そうするとこいでいる人は「君もこぎなさい」と文句を言ったりするんですけど、でもみんなでこいでいると、そのうち何処かにぶつかってしまったりするかもしれない。ですから、遠くを見ている人がいると無事にその舟は目的地にたどり着くことが出来ますよね。そういう意味でひねくれている人の存在は大切ですよね。みんなと違うことをしている人、つまり、君が今、色んな流行だとか、やろうとしていることに乗らないぞと思っているのは是非とも通してもらいたいと思います。ただし、これは良いなと自分で判断できるものがあったら、それはみんながやっていても、自分自身でもやって欲しいと思います。
おねえさん:確かにそうですね。みんながやっているからやるんではなくて、「ぼくもこれは良い」と思うからやるということですね。それにして森田先生、最近、急に…。
森田先生:急にと言うけれども、30年以上前に「ローマクラブ」というのが出来て、そこで有名な「成長の限界」というレポートが出されたんですよ。それまでは環境のことなんて誰も考えていなかったわけ。でも、1960年代から段々ちょっとおかしいぞという風になって70年代に入って、成長の限界というか、このままでいくと地球が変になっちゃうよというようなレポートが出されたんです。その後に色んな人が研究をしてきて、80年代になると本当に二酸化炭素が温暖化に影響を与えているじゃないかとか、フロンガスによってオゾン層が破壊されるんじゃないかという研究が出てきて、一気に危機感が高まったんじゃないかな。でも、それは決定していることやそうでないこともあるから、今はまだ、議論の段階なんだよね。議論の問題なんだけど、環境の問題って一度やってしまったら後に戻れないみたいな恐さがあるでしょ。「転ばぬ先の杖」ではないけれど、危機的になる前に色んなことを考えようということなんだよね。
おねえさん:なるほど。ですけど、政府の大臣やお役所とかが急に一所懸命になったような気がするのはみんなが心配になったからんでしょうか?
ヒサ先生:そういうことを今度は商売に結びつけようとする人がいると、また流行が出来たりするからね。ただ、一般の人が環境と騒ぎ始めたのは最近な感じが確かにしますね。
森田先生:でも環境の問題は深くて、どれが正しいか分からないところもあるから、本当に勉強しないで人のために良いと思ってやっていても、実は間違っていたということもあるから、きちんと勉強してもらいたいと思いますね。
ヒサ先生:それで、エコバックがはやりだしてみんなが買ったとしてもそれを使わないで、家にあっても仕方がないからね。スーパーのビニール袋をなくそうとかの意味合いでエコバックはあるんけど、それを無視して高く売れるからと、そういう風では全然、何にもならないからね。何のためにかということを考えなければいけませんね。
おねえさん:君がもっと関心を持って不思議に思って調べたりするとかもっと研究をするのは良いことですね。
男の子:はい。そうですね。何かみんなにそれを言ってもらいたい感じです。もっと勉強してくれって。環境とかで動いている友達とかいるんですけど、何がどうなって環境が悪くなっているのかとか、本人が環境に対してどういう意識を持っているのか教えてといっても多くは答えられないので…。ただ、操作されているような。よくメディアによる操作なんて言い方をしますけど、本当に操作されている感じで恐いんです。
広瀬先生:だから、それは自分の理由と言うのを見つけてもらうといいですよね。

ホールアース自然学校代表の広瀬敏通先生/恐竜博士でイラストレーターのヒサクニヒコ先生/お天気キャスターの森田正光 先生

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