にんげん・せいかつ
Q. オシャレは何のためにあるのですか? (小4、女の子)
A. おねえさん:あなたはオシャレする?
女の子:たまにスカートをはいたり…。
おねえさん:スカートはオシャレの時にはくんだね。
山本先生:これは、私にはもってこいの質問だね(笑)。私の場合、自分を表現したり、人様に自分をこうだよと見ていただくという目的が強くて、きょうのようにクレヨン箱のような色の服を着ていると(山本寛斎先生は全身を緑を基調とした服を着ていました)、他の人がその服装を見て、「あ、キレイ!」と思うのね。つまり、暗い感じにはならないのね。
おねえさん:先生は赤と緑の服装ですものね。
山本先生:きょうは上から下まで気合が入っているぞと思っていると、夜道を歩いていても車に衝突することもないし(笑)、心理や自分の気持ちに影響するんですよ。だから、暗い色の服を着るということはほとんどないですね。
おねえさん:着るものから力をもらうということですね。
山本先生:まったくその通りですね。そして、人にもその力をあげるんです。
森田先生:なるほど。私、考え方を変えます。今まで、オシャレは無頓着だったけど、山本先生の話を聞いて、そうだよなと本当に思った。
おねえさん:どうですか?
女の子:今度からそうしようかなと思った。
山本先生:そう。段々、オシャレが激しくなっていくと、人から「良いよ! 良いよ!」と言われて、また、どんどん激しくなっていくんだよね。そうすると世界レベルで通じますよ。だから、地味にしていると、例えば、ニューヨークの交差点で信号待ちをしているときに、人が声を掛けてくれないけど、きょうのぼくみたいな格好をしていると、一緒に交差点で待っている人が、「その服、感じ良いじゃん」みたいに言いますし、友達も出来てくるんですよ。それから、あなたはまだ若いから良いけど、わたしたちみたいに長く生きてくると、「その服装だと〜歳に見られるよ」と言われることがあるよね。あれが、すごく嫌でね。おじさんなんて、近藤おねえさんなんかに言われるとすごく悩んじゃう(笑)。だから、いくつ(何歳)に見えるという概念(がいねん)、つまり、「何歳らしくしよう」なんていことは、私は日本から無くしてしまいたい。
おねえさん:自分がどういう風な女の子に見てもらいたいのか。「私はこんなところがあるのよ」というのを服で表現する。きょうは元気いっぱいなら、元気いっぱいな色の洋服を着るといったことですね。

ファッションデザイナーの山本寛斎 先生

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