にんげん・せいかつ
Q. 学校には友達はいるのですが、バレエのレッスンでは友達が出来ません。どうしたらいいですか? (小4、女の子)
A. ピーコ先生:あなたはバレエのレッスンは好きなのかしら?
女の子:はい。
ピーコ先生:そうすると、バレエのレッスンを一生懸命やっているから周りにお友達が出来ないのかしら?
女の子:はい。
ピーコ先生:他の人があなたより上手だと嫌なのかしらね…。
井上先生:ぼく、小さい時、バレエやっていたので、良くわかるんだけど、バレエやっているとレッスンだけでものすごく力を使っちゃって、ヘトヘトになって、お母さんが「さあ、早く帰りましょう」となってしまうんですね。だから、それはバレエの先生が考えなくてはいけなくて、あなたが考えなくていいんだよ。本当はお友達を作らないと一緒に踊れないよ。気持ちが仲良くないと踊りにくいからね。だから、先生にお友達を作りたいから何とかしてって言ったらいいと思うけど。
おねえさん:あなたはバレエのレッスンを始めてあまり経っていないのかしら?
女の子:はい。3月ぐらいから…。
おねえさん:あ、まだ、始めたばかりなんだ。
ピーコ先生:お友達を作るのって、向こうからはお友達は来ないのよ。お友達って、あなたが心を開いて、「お友達になりたい」と言わないと来ないよ。まだ、3月に始めて、今は4月の半ばでしょ。あなたはどんな人だろうって、向こうの人も見ているし、あなたも周りの人をどんな人だろうって見ている段階でしょ。だから、あなたが先にお友達が欲しいなっていうことを見せないとお友達は来てくれないと思う。
おねえさん:初めてのお友達と喋るのは苦手なのかな?
女の子:はい。
おねえさん:レッスンでお友達になりたいなと思っている人はいた?
女の子:いました。
ピーコ先生:なら、お手紙でも書いたら良いじゃない。「私はまだバレエのレッスンに来て日が浅くて、友達がいないから友達になってくれませんか?」と書いてみたら。
女の子:でも、自己紹介のとき、名前を教えてもらっていないんですよ。
ピーコ先生:でも、名前を聞くのって一番のきっかけになるじゃない。私はあなたのお名前を知りたいわって。違う?
女の子:そのとき、話しかけると先生に怒られるの。
おねえさん:レッスンの前とか、終わったあとにきょうは大変だったねとか、ちょっ
と工夫してみるのどうかしら?
女の子:早く帰らないと風邪をひいてしまうので…。
ピーコ先生:それなら井上先生がおっしゃったようにバレエの先生にお願いして、お
友達のおしゃべりすることの出来る時間を5分でも良いから作ってもらえばいいじゃない。お母さんに頼んで先生に言ってもらったら? お友達がいなくちゃ、寂しくてバレエのレッスンが続けられませんって。どうですか?
女の子:いいともいます。
おねえさん:でも、チャンスを見つけて、お友達にお名前を聞くのは、おねえさんは良いと思うな。
ピーコ先生:そうよ。わたしはこういう名前です。あなたのお名前は何ですかって、先生の眼を盗んで言えないかな。でも、わたしが一番心配しているのは、レッスンを長く続けていけるのかなって。レッスンを長く続けなくちゃ、中々、お友達は出来ないからね。バレエを好きになって、レッスンを一生懸命続けてみましょうよ。
女の子:はい。

ファッション評論家のピーコ先生/指揮者の井上道義 先生

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