にんげん・せいかつ
Q. うんちは何で茶色なのですか? (小2、男の子)
A. おねえさん:きょうはうんち出た?
男の子:はい。
おねえさん:何色だったかな?
男の子:茶色だった。
藤田先生:君は毎日、自分のうんちの色を見ているのかな?
男の子:はい。
藤田先生:おお、偉いね。あのね、なぜ、茶色かというのは、体の中の肝臓の隣に胆のう(たんのう)という小さな袋があって、そこから胆汁(たんじゅう)という茶色の液が出ているの。これは、卵や油なんかを消化する酵素(こうそ)なの。胆汁は出ないとしょうがないもので、そういう色がついているの。だから、あれは胆汁の色なの。
おねえさん:茶色だと元気なうんちだということですか?
藤田先生:はい。
青島先生:あの、1つ聞きたいんですけど、私はバリウムというものを飲んだのですが、白くなったんです。だから、食べるものに関係はあるように思うのですが。例えば、ビーフシチューとかカレーとかは何となく茶色なんだけど、そういうのは関係あるんですか?
藤田先生:そうですね、たいていは体の中で分解されるから食べ物はあんまり関係ないです。でも、バリウムは分解されないから白くなったんでしょう。分解されてしまったら、レントゲンに写らないですから。
おねえさん:例えば、前の日に野菜をたくさん食べた日と、お肉をたくさん食べた日では、うんちの色が少し違う気がするんですけど…。
藤田先生:肉を食べると胆汁がたくさん出なければいけないから、色はもっと濃くなりますね。
青島先生:あれは肉の色ではないんですね。
藤田先生:(笑)肉の色ではないです。ただ、分解されない色素なんかを飲むと、時々うんちの色が赤くなったりしますね。
多田先生:でも、虫のうんちは食べるものによって色が違いますよね。うちの庭に「ゼラニウム」という花が植えてあるんだけど、そこに夜盗虫(よとうむし)という蛾(が)の幼虫がつくの。その虫が葉っぱを食べているときは、緑色のうんちなの。時々、花を食べているとピンクのうんちを出しているの。
藤田先生:虫は消化器官がまだあんまり発達していないから、ちゃんと分解できないんだよね。人間はたいていのものを分解できるけど。もちろん、分解できないものもあるけどね。
青島先生:イカスミのスパゲッティなんかを食べると、黒くなりますよね。イカスミは分解されないようですね。
おねえさん:(笑)前の日に何かを食べたか考えながら、うんちを見てみると新しい発見があるかもしれませんね。

東京医科歯科大学教授の藤田紘一郎先生/東京学芸大学講師の多田多恵子先生/作曲家・ピアニストの青島広志 先生

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