にんげん・せいかつ
Q. 学校で10回以上、悪口をいわれると手を出してしまうのですが、どうやって直せば良いのですか? (小1、男の子)
A. おねえさん:悪口を10回以上言った人をぶっちゃうの?
男の子:うん。ぶっちゃう。だから、それを直したいの。
永先生:10回以上悪口を言われたら手を出すというのは、君が決めたの?
男の子:うん。
永先生:その前は悪口が一回目でも手を出したことがあるの?
男の子:小さいときにある。
永先生:それを11回にして、15回にして、20回にしてはダメかな? 絶対手を出さないって決められないかな。手を出した方が悪い方が決まっているからね。10回我慢できるなら、20回我慢できるよ。20回我慢できれば、悪口を言う相手が飽きますよ。
池上先生:それと、君は10回というのは数えているのかな?
男の子:うん。
池上先生:君は冷静だよね。1回悪口言った、2回言った、3回言ったって数えているんでしょ。すごいじゃない。数えられるなんてすごく冷静だよね。それだったら、今、永先生がおっしゃったように、数を数えていれば、落ち着いてくると思うよ。
おねえさん:頭にきたときに、1から10までゆっくり数えると、そうでも無くなると言われたことがあるけれど、それと同じですよね。
永先生:たとえば、いじめについて話すと、「いじめ方」というのがありますよね。同じように「いじめられ方」というのもあるの。いじめる相手の気力をなくすという方法ね。
おねえさん:いじめる方が、いじめる気をなくしちゃうということですね。
永先生:そう。そういう知恵を学校の先生やご両親は大切にしてほしいんですね。今、よく言われているのは、「いじめてはいけない、いじめてはいけない」だけなんですね。「いじめられ方」もあるということも頭に入れておいてね。君が1回、2回と数えていると言うように冷静に悪口を言う人の相手をして、もう少し頑張ってみようよ。
池上先生:ひょっとすると、いじめる側が何回も何回も言っていると、君が手を出してくるのを楽しんでいるいじめ方をしているかもしれない。それならば、君が手を出さなければ、相手も面白くないから、君が勝ったことになるんじゃないかな。

放送タレントの永六輔先生/フリージャーナリストの池上彰 先生

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