にんげん・せいかつ
Q. 寝て起きた時に、手をにぎると力が入らないのはなぜですか? (小2・男)
A. 柳田先生:ぼくが考えるところでは、理由は2つあるだろうと思います。まず1つは、手の筋肉が起きていないから力が入らない。もう1つは、脳がまだ起きていないから、力が入ったことが分からない。このどちらかだと思います。もし実際に、筋肉に力が入っているのか入っていないのかを調べてみようと思ったなら、筋肉に電極を差し込んで測ってみれば、多分わかると思いますよ。
おねえさん:なるほど。たとえば遠藤先生、動物の場合は、寝ているときに急に襲われそうになったり急にエサの匂いがしたりしたら、すぐに起きますよね?
遠藤先生:そうですね。たとえばアフリカで、シマウマがライオンの姿を見ると、ウトウトしていても急に走り出すことは出来ますよね。ですが、動物が、起きてすぐに力が入っていると感じているかどうかは分からないですね。ただ、人間の場合は、まだ脳が寝ているかもしれないので、起きた時に自分で力を入れることが出来ないと思いますし、力が入っているかどうかを感じるのも脳が寝ていると難しいですね。だから、動物がすぐに走り出せるのと、キミがちょっと力が入っていないなと感じるのでは、少し違いがあるかもしれませんね。
おねえさん:ということはやっぱり「まだ脳が寝ているから」という可能性が高いですか? それとも、筋肉そのものがまだが寝ているということもあるんですか?
柳田先生:筋肉が寝ているというか、筋肉を動かすための神経が寝ているのかもしれないですね。
遠藤先生:起きた時というのは、全身がまだちゃんと動いていないですから、全ての力を発揮することは出来ません。
青島先生:わたしは起きた時、手がむくんじゃっている時もありますけど、そういう時もちゃんとにぎることが出来ないですね。キミはまだ若いからそういうことはないかもしれませんが、私みたいにオジサンになると、手を握れないと思うときはあるんですけど(笑)。
おねえさん:手だけではなくて、まっすぐ歩けなかったり、ものすごく眠いとフラフラしたりとか、眼がショボショボしたりとかしますよね。
柳田先生:そうですね。これは実験できるかもしれないですね。人間はどうやって起きるかと言うと、明るい光を見て起きるんですよ。だからキミね、あしたの朝起きたら、窓を全開にして、太陽の光を見てください。そこで、手を握っていつもより力が入るように感じるか感じないか。いつもより力が入るように感じたら、それは脳のせいだと言えると思いますね。

空想科学研究所主任研究員:柳田理科雄先生/京都大学霊長類研究所:遠藤秀紀先生/作曲家・ピアニスト:青島広志 先生

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