にんげん・せいかつ
Q. どうして、おクツは洗っても洗っても汚れたままなんですか? (6歳 女の子)
A. おねえさん:洗っても洗っても汚れたままなの?
女の子:うん…。
おねえさん:買った時みたいにきれいにはならないってことかな? 少しはきれいになるもんね。
女の子:うん…。
おねえさん:自分で洗うのかな?
女の子:ママが洗ってくれる。
柳田先生:あなたがきれいにならないなと思っているクツは、どんなクツかな?
女の子:青っぽい色。
おねえさん:お外で履くクツ?
女の子:うん。運動グツ。
柳田先生:運動グツというのはね、布で出来ているでしょ。布で出来ているということは、元々は糸で出来ているということでしょ。布は糸をタテやヨコに編んで出来るものだから。糸というものは、細い、眼に見えない小さな糸がグルグル巻き付き合って出来ているわけ。
おねえさん:髪の毛よりも細いですか?
柳田先生:髪の毛よりもはるかに細いですね。クツを作っている糸の中は、すき間だらけなので、汚れがもぐりこみやすいんですね。だから、糸の表側についた汚れは洗えば取れるんだけど、中のほうまでにもぐりこんじゃった汚れはなかなか取れないので、仕方がないんですね。
女の子:あのね、洗っている時にボロボロになっちゃうの。
柳田先生:そうか。あのね、ほったらかしてボロボロなのはあんまり良くないなと思うけど、一生懸命洗ってボロボロなのは、僕は、それはきれいな証拠だと思いますね。
おねえさん:なるほど。買った時とは違う「きれい」という意味ですね。
柳田先生:そう。お母さんが一生懸命洗ってくれたわけでしょ。
女の子:うん。
柳田先生:ボロボロになった分だけ、お母さんのやさしさが入っているわけだから、良いんじゃないかなと思うんですけどね。
女の子:うん。うふふふ(笑)
おねえさん:ピカピカにはならないけど、別のピカピカになっているということですね。
柳田先生:そのピカピカは工場では作れないですからね。
おねえさん:そのピカピカがお母さんの気持ちよ。
女の子:うん。

空想科学研究所 主任研究員 柳田理科雄先生 先生

[戻る]