にんげん・せいかつ
Q. もったいないオバケって本当にいるんですか? (幼稚園 女の子)
A. おねえさん:もったいないオバケがいるっていうのは誰におそわったの?
こども:お父さん。
おねえさん:お父さんにいつ言われたんですか?
こども:ずっとずっと前。
おねえさん:もったいないことしちゃったの?
こども:ごはん残しちゃったの。
おねえさん:ごはん残しちゃったのね。その時に言われたんだ。いると思います?
こども:いないと思う。
おねえさん:まずは理科雄先生、いかがですか?
理科雄先生:僕ももったいないオバケはいないと思います。
おねえさん:あら、そうなんですか?
理科雄先生:いないと思うんだけど、でも、いるって信じた方がその人にとってはいいと思います。つまり、もったいないオバケっていうのは、もったいないっていう気持ちのことだと思うんですね。さっき、ピーコ先生が人間が物を食べるっていうのは、他の生き物の命をもらうことだとおっしゃっていましたけど、ホントなのよね。人間が食べるものって元は生き物だったんだよ。それから、人間がものを食べる時には、例えば、ごはんがあります。ごはんがあるとしたら、これはまず、お米を作る農家の人がいなきゃダメでしょ。それから、そのごはんを農家の人はそれはお米っていうのは稲っていう植物の実だからね、稲を育てるだけ。それをワラからはずして、モミって皮をむいてやっとお米になるわけ。だから、すっごくたくさんの人が働いているんだよね。その後で、お母さんがごはんに炊いてくれるわけでしょ。だから、その人達に、その人達が一生懸命頑張って作ったもの、作った頑張りが食べなかったらムダになっちゃうわけですよ。ごはんとか、お金をだせば、どっかに売っているものだと思っちゃうけど、でも売っているそのお店に出てくるまでも、必ず誰かが働いていないといけないわけ。だから、そういう人たちの頑張りをムダにしちゃいけないなっていう気持ち、その気持ちをもったいないオバケっていうんだったら、僕は、科学的には存在しないだろうけど、でもいると思った方が絶対イイ人生が送れると思います。
おねえさん:なるほどね。ピーコ先生いかがですか?
ピーコ先生:オバケは好きですか?嫌いですか?
こども:嫌いです。
ピーコ先生:どうして嫌いですか?
こども:こわいから。
ピーコ先生:怖いから、あのね、お父さんは、ごはんを残しちゃダメって、残すくらいならば、少な目にとって食べて後、もうちょっと欲しいなと思ったら、またよそってもらえばいいように、そういう女の子に育ってもらいたいわけよ。無駄なことをしない女の子に育ってもらいたい。だから、お父さんいろいろ考えたと思うんだ。なかなか言うことを聞いてくれないでいつもごはん残したりすると、だから、一番怖いと思っている「オバケが来るよ」って言ったのね。それがイイコトかどうかはわかんないけれど、でも、やっぱり、さっき理科雄先生がおっしゃったように、ホントにいっぱいの人の手をわずらわせたり、命をもらって、食べるとこまで行くときには、いっぱいいろんなことがあるわけだから、それから時間とか、手間とかそういうものが、上にのっかってくるわけだから、オバケみたいになるかも知れないよ。残したごはんが夢でね、顔にいっぱいくっついてきておそってくるかも知れないって思ったらイヤでしょ?
こども:はい。
ピーコ先生:だから、残さないようにしましょう。
こども:はい。
おねえさん:あんまり食べられないって時にはちょっとにするとかね。松尾先生はもったいない、いかがでしょうかね?
松尾先生:まあ、あの、私もいないと思いますけど、そこに行くまでに、お口に入るまでに、どれだけの人が関わっているのか?っていうことを考えてみたら、やっぱり、もったいないっていう気持ちが、オバケ=だと思いますけどね。
おねえさん:オバケ・・・が「もったいない気持ち」っていうことですよね。おねえさんもね、お父さんやお母さんに「もったいないオバケ出るよって言われたよ。怖いからね、やっぱり残さないように頑張った。
こども:はい。
おねえさん:頑張って。ピーコ先生おっしゃったけど、たくさん取らないで、食べられそうな分だけ取るっていうのでもイイっておっしゃってるからさ。
ピーコ先生:でも、6歳でしょ。食べないと大きくならないのよ。
こども:はい。
ピーコ先生:わかった?今からちょっとおしゃれになりたくて、やせていたいとか、顔が大きくなりたくないとかって食べないのはダメよ。食べないと大きくならないのよ。食べてね。残さないで食べて。

服飾評論家:ピーコ先生/空想科学研究所主任研究員:柳田理科雄先生/おもちゃ病院連絡協議会代表:松尾達也 先生

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