にんげん・せいかつ
Q. おばあちゃんが死んじゃった時、長いお経があったんだけどどうしてですか?そして、死んだあとはどこへ行くんですか? (小2・女)
A. (樋口先生):おばあちゃんはいつ亡くなったの?(10日ぐらい前です)そうか・・。じゃあまだすごく悲しいね。お経は何分ぐらいありましたか?(30分ぐらいでした)そっか。お葬式っていう儀式はね、その人が生きていた頃のことを思い出したりするのと、お坊さんの立場から言えば、死んだ人の魂を極楽に送り出すという意味があるわけね。そのためにお経を読んで、亡くなった人がうまく極楽に行けるように道筋をつけてあげるんです。お経の中にはそういう意味のことがたっくさん詰まっているから長いんですね。そしてそのお経を聞きながらまわりの人たちは、亡くなった人のことを思ったりします。だから、あなたがおばあちゃんのことを「優しかったなぁ」とか「楽しかったなぁ」とか思い出す時間なんだよね。
死んだあと、どこに行くか?という質問には、小澤先生に答えていただきましょうか。
(小澤先生):あなたのように「死んだらどこに行くか?」と思っている人は多いと思います。でも、私が病院で患者さんや家族の方に約束するのは、「死んだあとは、向こう側でお会いしましょう!」ということです。どこに行くのかは分からないですけど、その大切なおばあちゃんとずーっとお別れするのではなくて、きっと、行ったこともない向こう側でいつかあなたと会えるのを待っているんじゃないかなって、そんなふうに思えたら、亡くなることはつらいことだけど、亡くなってもその向こうでおばあちゃんが温かく見守っていてくれると思えたら、これからもあなたは安心して暮らしていけるんじゃないかなと思いますよ。大切な人と別れるのはとても悲しいことだけど、悲しむことは決して悪いことではありません。むしろ、その悲しみをこうやっていろんな人に伝えたりすることは、あなたのこれから大きくなる時において、すごく大事なことだと思いますよ。
おばあちゃんのこと、たくさん思い出してあげてくださいね。

青山学院初等部部長:樋口善一先生 / 横浜甦生病院ホスピス病棟長:小澤竹俊 先生

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