にんげん・せいかつ
Q. 人間の心は体のどのへんにあるんですか? (小3・男の子)
A. 永先生:
「こころ」と「心臓(しんぞう)」って同じだと思う? もちろん心臓の「心」というのは「こころ」という字です。だけど、心臓とこころは違います。感じたり考えたりするのは脳なんですね。「さみしいなぁ」とか、「こども電話に電話しよう!」というのは脳で考えたことなんです。
しかし、「さみしい」とか「苦しい」という気持ちを、心臓のあたりにこころがあって、そこで感じていると考えた人は確かにいます。ハートの形って知っている? ハートは心臓の形をイメージしていますね。でも、心臓とこころは違います。だから、頭で感じた「さみしさ」を心臓にもってきて、「胸が痛む」とか「あぁ、ほっとした」とか胸に手を当てて言います。

馬場先生:
そうなんです!! 脳で感じたものは、じつは脳そのものでは感じることができないんですね。おもしろい話ですが、脳というのは痛みを感じる神経が無いんです。なにか胸がキュンとするようなことにあなたが出会ったとします。するとそれをいったん脳が考えたり、感じたりして、体の別の場所が反応するんです。脳自体は痛みを感じていないんですね。
だから、胸がキュンとする時は、脳が何かを感じますが、脳の中に痛くなる場所が無くて、それが心臓の自律神経に反応して、心臓のあたりが痛くなるんです。だから、こころが心臓にあるように感じるんだね。

放送タレント:永 六輔 先生/国立科学博物館:馬場 悠男 先生

[戻る]