にんげん・せいかつ
Q. エジプトのピラミッドの建築費用(けんちくひよう)は今で言うといくらぐらいですか? (中1・おとこ)
A.

うーん、それはとてもむずかしくて、正直なところ、せいかくに数えることはできません。なぜかというと、社会のしくみが今と昔とではあまりにもちがいすぎるからなんだよね。

たとえば、今ピラミッドをたてるとすると、いちばん必要なのは、はたらいてくれる人たちにはらうお給料(きゅうりょう)なんです。ピラミッドはむかしおよそ3000人〜5000人の人が何年もかけて作りました。その人数にお給料を払おうとするとすごい金額になるよね。

でも今では道具がとてもいいものがそろいます。ピラミッドの石にしても、昔は人が運んでいましたが、今ではトラックに積んだりクレーンで運んだりしますよね。機械をつかえば昔よりずっと少ない人数でピラミッドをたてられるんです。

それにね、昔の人はお給料をもらってはたらいていたわけではないんです。そのかわり、王様は食べるものと住むところをあげていました。ただ「この仕事はいやだ」と言ったものなら、殺されたりムチで打たれたりしました。その点でも、お仕事をえらべる今の社会とはちがうのです。そういうことで、社会のしくみがちがうという事を知っていないとくらべることはできないのです。

ただ、かくじつに言えるのは、ピラミッドをたてるには国そのものが豊かではなくてはたてられません。昔は、ふつう「働く」といえば農作物など食べるものを「作る」ことでした。

しかし、ピラミッドを作る人は石をけずったり彫刻(ちょうこく)をするわけだから、食べものをつくることはできないですよね。となると、王様は食べものを作らずにはたらく人たちを、ピラミッドができるまでの間、やしなっていくだけの食べものをもっていなくてはいけません。それだけよゆうがあったのです。だから、国はすごく豊かであったろうとかんがえられているのです。


イラストレーター:ヒサ クニヒコ 先生 先生

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