にんげん・せいかつ
Q. なぜ人には寿命(じゅみょう)があるのですか? (中1・おとこ)
A.

人は、だれでもいつかは命がおわるよね。この「寿命(じゅみょう)」ですが、「寿」というのは「コトブキ」と読んで「めでたい」という意味(いみ)なんです。だけど、人の命のおわりかたには、事故(じこ)や戦争(せんそう)で命をなくしてしまったり、ころされてしまったり、食べるものがなくて死んでしまう子どもたちもいます。そういうのは寿命とはいいません。

寿命は命がめでたくおわるとき、「人が命をじゅうぶんしあわせに生きたとき」のことなんです。じゃあ、どれくらい生きたら寿命かというと、今は平均(へいきん)寿命がのびて、女性が83さい、男性が76さいぐらいです。だから平均をこしたら寿命だよね。平均までいかなかったら、それはふつうの人よりも短い人生だったということだから、私は寿命とは思いません。でも、もちろん人によっては、70さいで亡くなったとしても「長く生きたなぁ」と思うかもしれませんけどね。

今はさくらの季節(きせつ)ですが、むかし良寛(りょうかん)さんというおぼうさんが、さくらがちっていくようすを見て、「ちるさくら のこるさくらも ちるさくら」という俳句(はいく)をよみました。「みのまわりで命をおえていく人たちがいるけれど、いつかはその自分も命をおえていく」という意味です。

人間のほかにも、たくさんの生きものがいます。その中でも、長く生きられる生きものもいれば、そうでない生きものもいますよね。だから、みんなでおたがいの命を大切にしながら、たすけ合って長く生きて平均寿命をこえたら、それが寿命なのだと思いますよ。


放送タレント・永 六輔 先生

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