にんげん・せいかつ
Q. 農耕(のうこう)はいつ頃から始まったんですか? (小2・おとこ)
A.

農耕というのは、「作物を作ること」だよね。人間が生まれてから今日まで、もう何百万年も経ってるよね。その中で人間が何を食べてきたのだろうって考えるのは、とても大切なことなんです。

最初はおそらく木の実とか葉っぱとか食べていたんでしょう。で、木の実を食べているときに、「これはおいしいからわざわざ探しに行かなくてもいいように、おうちのまわりでも作ろう」と考えたんだろうね。だけど、おうちの周りで作っていたということの証拠は、あまり残っていないんだ。化石も残っていないので、なかなか分からないの。何とか証拠が残っているのが、今から8000年から1万年ぐらい前のメソポタミア文明のころ、麦などを作っていた証拠が残っているんです。それが今のところ一番古い農耕の証拠かな。

日本でもお米を作ったのは今から2000年前ぐらいの弥生時代だといわれています。静岡県の登呂遺跡(とろいせき)などが有名だね。でもね、実はそれ以前から作られていたんじゃないかといわれていて、5000年ぐらい前の縄文時代の遺跡からもお米の燃えた炭のようなものがみつかって、DNAまで鑑定されているんです。青森にも遺跡があるんですけど、そこで栗やドングリが栽培されていたという証拠が残っていますよ。


東京農業大学農学部講師・宮田 正信 先生

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