にんげん・せいかつ
Q. 泣いたりすると涙がしょっぱいんですけど、それはきっと塩を食べたりしてるからだと思うんです。 もし、人間が塩を食べなければ、涙はしょっぱくならないんですか? (小4・おとこ)
A.

そうだよね、確かに涙というのはちょっとしょっぱいというか、なんだか複雑な味がするでしょう?どうしてかというと、やっぱりキミの言うように、涙にはお塩と同じような、「電解質(でんかいしつ)」という成分が入ってるんですね。
人間は食事と一緒にお塩を食べてるよね。それは、お塩がある方がおいしく感じるように人間が造られているからなんだけど、さらにそれがどうしてかと考えると、人間の体にはお塩が必要だからなんです。
人間は、もともと海の中にいた生物から進化をしてきたんだけど、その進化の中で人間は、体の中の水分の濃度(のうど)を塩分と一緒に調節する、という仕組みができてきたわけ。
だから人間はお塩を食べないと生きていけないし、体の中に、ある一定の量のお塩が入っていないと体の仕組みが働かないようにできているのね。
だから、確かにキミの言うように、お塩をまったく食べなかったら涙はしょっぱくないのかもしれない…。でもね、涙がしょっぱくないというぐらいお塩を食べなかったら、人間は生きていけないんだよ。
つまり、涙も人間の体内の水分のひとつだから、ある一定の分量でお塩が入ってるということなんです。

お姉さん:「疲れたら塩分をとりなさい」なんてよく言われましたけど、それも関係があるんでしょうか?

そうですね、例えば運動した時なんかに、体から汗が出るでしょう。汗も涙と同じで体の中の水分の一つだから、やはり塩分が含まれているんです。
だから、汗をたくさんかくとその分だけ体の中の水分と塩分が減っているということだから、ある程度、水分と塩分を補給しないと体の中のバランスが保てない、ということなんですよ。

宇宙科学研究所 主任医師・村井 正 先生

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