にんげん・せいかつ
Q. 今年の2月におじいちゃんが亡くなったんだけど、年賀状は出しちゃいけないの? (小5・おんな)
A. あのね、身内の人が亡くなってからの1年間、つまりあなたの場合は今年の2月から来年の2月までを、「喪中(もちゅう)」っていうんですね。
昔の人たちは、人が死ぬということを「汚れ(けがれ)」として受け取っていたの。
だからこの喪中の期間、つまり喪に服している間は、自分は汚れた身だから慎んで控える、という意味で、お祝い事をさけるんです。
人が亡くなる、ということはやっぱり哀しいことだし、つらいことでしょう?
だから、これは「裏のこと」という言い方をするんだけど、その間は神様にお参りをしちゃいけないとか、亡くなってから何十日間は黒い服しか着ない、華やかな音楽を聴いたり奏でたりしない、人前の賑やかなところにも出ていかない、などという風習が昔から日本にはあるんです。
その風習はだんだん省略されてはきたんだけど、お正月はやはり1年の最初のお祝い事、ということもあって「新年明けましておめでとうございます」とか、「今年も1年がんばりましょう」というお祝いの言葉は言わない、つまり、年賀状はいただかないし、こちらからも出さないようにするんです。
そのために、前の年が終わる前に、「本年は喪中につき、お年賀は省略させていただきます」というお葉書を出すくらいなんですよ。
だから、あなたも今度の元日には、年賀状は出さないようにして、もし誰かからいただいてしまってもお返事は出さない、というのが昔からのしきたりなんですね。
だから冬休みに入る前に、お友達や先生には「今年、うちは喪中だから年賀状を出せないし、もらえないの」って前もって言っておいた方がいいかもしれないですね。
昔はね、それに関しての日にちなんかも、もっと細かく決まりがあったりしたの。
今はかなり省略されてきましたけどね。
でも、年賀状って1年の最初のお祝い事だから、やっぱりひかえたほうがいいと、私は思っています。

女優・大山 のぶ代 先生

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