にんげん・せいかつ
Q. どうしてお米は主食になったんですか? (小5・おんな)
A. あのね、キミはとてもいいことに気が付いたんだけど、日本人がお米・・・つまりごはんをずうーっと主食にしてると思っていたでしょう?
でもね、ごはんが主食になったのはつい最近のことなんですよ。
昔は、五穀豊穣(ごこくほうじょう)なんて言葉もあってね。
五穀っていうのは5種類の穀物・・・米、麦、粟(あわ)、黍(きび)、豆のことなんだけど、主食にしていたのはお米だけじゃなかったの。
逆にね、どちらかというと昔お米はとれる量が少なくて、お殿さまとかお姫さまとか、そういう人しか食べられなかったんです。
ですから、明治時代になった時に、お米が食べられるから兵隊さんになるとか、「お米が食べられるぞ」と言って人を誘ったぐらい、お米はなかったんだよ。
じゃあ今度は、お米の立場から話をしましょうか。
お米っていうのは、日本に入ってきたのはものすごく古くからなんですね。
むかーし、何千年も前に入ってきたの。
でもその頃は、赤いお米の「赤米(あかごめ)」とか、黒い「黒米(くろごめ)」とか、最近、また売られているみたいだけど、むかしむかしはそういうお米だったのね。
それが、お米の作り方とか、お米の種類などがだんだん進歩していって、だんだんお米のとれる量が多くなってきて、それで、僕たちの主食になるようになってきたんです。
おいしくなってきたからね。キミは「ヒエ」とか「アワ」とか見たこと・・・ないかなぁ。普通の人には、そういうものの方がずっと長い間、主食だったんです。 で、お米の作り方が上手くなってきて、たくさん取れるようになって・・・それは江戸時代の末ぐらいからなんだけど、お米が普通に日本人の主食になったのはその頃からなんです。 それまでは、お米というのは本当に限られた人しか食べてなかったんだよね。 だからこれからは、そのことを感謝しながらごはんを食べて下さいね。

放送タレント・永 六輔 先生

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