にんげん・せいかつ
Q. 大昔の人の顔の絵を見るとサルのようだけど、いつ頃から今の人間のような顔になったんですか。 (中1・男)
A. サルのような顔っていうと、三つほど特徴が考えられるね。
ひとつは、口が出っ張っていること。
それから、脳みそが小さいから、ひたいのところが低くて頭が小さいの。
そして顔に毛が生えているということ。
そうするとおサルさんのように見えるんだよね。
今の私たちはその逆で、口が引っ込んでいて、頭が大きくなっていて、顔には毛がないよね。
いつ頃からそうなってきたかというと、200万年ぐらい前だと言われています。
そのころはね、2本の足で立ち上がって歩いてはいたんだけど、やっぱり脳みそはあまり大きくなくて、口もまだ出っ張ってるの。
顔の毛は少しずつ少なくなっていたのかな。
でね、今から50万年ぐらい前になってくると、ようやく口が引っ込んできます。
なぜかというと、かたいものをあまり食べなくなって、歯がちっちゃくなって、あごがちっちゃくなって、それで口が引っ込んできたんだ。
あとね、脳みその大きさは、私たち現代人はだいたい1400ミリリットルぐらいあるんだけど、200万年よりもっと前には、400ミリリットルから500ミリリットルぐらいしかなくて、チンパンジーと同じぐらいだったんだよ。
でも「考える」ということをするようになるとだんだん大きくなってきて、50万年前には800ミリリットルから1000ミリリットルぐらいになったんだ。
そのころになると頭も大きくなってくるし、口も引っ込んでくる。
そして顔に生えてた毛もなくなっちゃったんだ。
そして今の私たちに近づいてきたってことなんだよ。

国立科学博物館・馬場 悠男 先生

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