にんげん・せいかつ
Q. 人間の胃は、食べた物を消化してしまうのに、どうして胃袋の胃壁は消化されないんですか? (小3・おとこ)
A.

うん、その通りだよね。じゃあ、人間は食べ物を食べるけど、その食べ物がどうやって胃の中で溶けるか知ってる?

こども:さぁ…

あのね、人間は食べたらまず、かんで、食べ物を小さく細かくするでしょう?
そしてその細かくなったものは口の中でツバと混ざって、食道(しょくどう)を通って胃に送られるのね。 そうすると、それは胃だけじゃなくて、胃のそばの十二指腸(じゅうにしちょう)とか大腸とかでドロドロに溶かされて、養分や水分が、胃の壁や十二指腸、大腸の壁を通して吸収されるわけ。
つまり、養分や水分ていうのは血液に入らなきゃならないから、そのために食べ物は液体にならないといけないわけね。
そうじゃないと、体は養分や水分を吸収できないんですよ。
で、そのために、胃の中には食べ物をドロドロに溶かすことができる「胃酸(いさん)」っていう液体があるの。
これはものすごく強い酸性で、「pH(ペーハー)」という単位で表すと、1、8とか2、0ぐらいあるんです。
それで食べ物をみんな溶かしちゃうの。
でも、やっぱりキミの言う通り、胃壁は溶けないよね。
これはどうしてかというと、胃壁は胃酸があっても大丈夫なように、ちゃんと強い粘膜(ねんまく)で出来ているからなの。
食べ物よりもずっと強い細胞で出来てるっていうわけ。
だから、胃酸は食べ物は溶かすことが出来ても、胃壁までは溶かせないの。わかったかな?

医学博士/登山家・今井 通子 先生

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