にんげん・せいかつ
Q. 折れた骨は、どうして治るんですか? (小6・おんな)
A.

確かに不思議だよね。それはね、例えば皮膚を切ったりすると、切り傷ができますね。
その傷は、そのあとどうなるかな?

こども:カサブタになる…

そう、それでちゃんと治るよね。

それと同じでね、人間の体っていうのは自然治癒力(しぜんちゆりょく)といって、例えばどこかケガをしてしまうと、それを体が自分で治そうとする力を持ってるのね。
それは皮膚だけじゃなくて、骨なんかでもその力をちゃんと持ってるの。
だから、皮膚の場合、治るときは、元の皮膚の通りになるんじゃなくて、カサブタが出来たり、ニクゲっていったりするんだけど、ちょっと盛り上がったりしますよね。
で、骨も同じで、折れちゃったら、そこにカルシウムとかをどんどん送りこんで、そしてどんどん治そうとするから、むしろ折れる前の骨より、太くなったり出っ張っちゃったりするぐらいなんです。
これは「加骨(かこつ)する」っていうんですけれども、つまり体が自分でちゃんとカルシウムなんかをどんどん持ってきて、骨の細胞が増えるようにしてくれるのね。
だから、皮膚にケガしたときにカサブタができたりしてちゃんと治ることと、折れた骨が治ることとは同じで、体がちゃんと自分でやってくれることなの。
だけど、骨が折れちゃったとき、曲がったままくっついちゃったりすると困るから、お医者さんは副木(ふくぼく)っていうのをあてたり、ギブスっていうのをはめたりして、ギザギザに折れた部分もきちんと合わせて、そして、きっちり折れたところに骨細胞(こつさいぼう)がたまってくるように、元通りになるようにつくってあげるんです。
体が自分で治すのを手伝うっていう感じだよね。
でも、まずは折らないように気を付けてね。

医学博士/登山家・今井 通子 先生

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