ほし・うちゅう
Q. 地球上でろうそくに火をつけると炎が細くなるけど、宇宙でろうそくをつけると真ん丸になるのはなぜですか? (小5、女の子)
A. おねえさん:何かの実験で見たのかな?
女の子:はい。本で見ました。
柳田先生:まずね、地球上でろうそくに火をつけると細い形になるは、なぜか考えたことがあるかな。
女の子:ないです。
柳田先生:そうだよね。では、説明すると、空気はあたためると軽くなるわけですね。水も空気もそうですけど、だから、熱気球というのはあたたかい空気をいっぱい詰めるから軽いのでふわふわ浮かんでいるわけ。
おねえさん:周りよりも軽くなっているということですもんね。
柳田先生:そうです。だから、ろうそくに火をつけると火の当たった空気がどんどん温まって、どんどん上に行くんです。そうすると周りから上に行った分を補うように空気が流れ込んでいる。その流れができるから炎も上向きに引っ張られてああいう細長の形になるわけ。
女の子:なるほど…。
柳田先生:自分のせいで周りを動かして、そのせいで自分が細くなってしまう。ところが、宇宙に行くと重さというのがなくなるわけ。
パックン先生:あたたかくても冷たくても同じ重さなわけですね。
柳田先生:そうです。もちろん、宇宙船の外には空気はないですけど、ろうそくに火をつける実験は宇宙船の中でやるんですね。重さはないけど、空気はありますよね。宇宙空間に行くと重さというのがなくなるので、空気は上に上がろうとしない。その場で燃えることしかしない。ところが、宇宙でつくった炎というのは、細長くならないということは、周りに空気の流れができないということですね。その場にあった空気を使ったらおしまいなので、すぐに消えてしまうんです。
おねえさん:流れないということは、新しい空気が来ないということなんですね。
柳田先生:だから、地球上でろうそくが燃え続けるのは空気が軽くなって上にあがって、周りから入ってくるというのは、新しい空気がどんどんやってくるから燃え続けるんですね。
おねえさん:宇宙上ではすぐ消えてしまうのでは、ろうそくの役目はないですね。
柳田先生:だから、宇宙でろうそくで明かりを取ろうとするのはあまりよくはありませんね。
パックン先生:じゃあ、懐中電灯とかの方がいいわけですね。
柳田先生:そうですね。

お笑いタレントのパトリック・ハーラン(パックン)先生/空想科学研究所主任研究員の柳田理科雄 先生

[戻る]