ほんとうは、宇宙に行って帰ってくるだけなら、そんなにたいへんなことではないのです。行って帰ってくるだけなら、「無重力(むじゅうりょく)とはどのようなかんじなのか」とか、「宇宙船がたいへんなことになった時のにげかた」などをトレーニングするだけでできるのです。
ではなんで宇宙飛行士の人たちはなん年もかけていろいろなトレーニングをしているのでしょうか。それは、「宇宙船のうごかしかた」や「いろいろなじっけんのやりかた」をべんきょうしているのです。べんきょうのやりかたは学校と同じで、先生からいろいろな話を聞くというやりかたです。宇宙飛行士のトレーニングというと、さかさになってぐるぐるまわったり、水のなかで宇宙服をきて動いたり、飛行機を動かしたりなどめだつところばかりをしょうかいされるから、そういうことばかりをやっているようにおもわれがちですが、じつはちがうのですね。
べんきょうは「宇宙船やロケットのしくみ」とか、「無重力(むじゅうりょく)では人間のからだはどうなってしまうのか」とか、そういったことです。またべんきょうのなかには、「体育」や「英語(えいご)」もあります。とくに言葉のべんきょうはたいへんです。宇宙へはほかの国の宇宙飛行士といっしょにいくので、英語ははなせないといけないし、日本人の宇宙飛行士は「ロシア語」も勉強します。でもおおまかにみると、席についてする勉強が多いので、そういう意味では中学校や高校のウンとすすんだ勉強しているといえますね。
有人宇宙システム主任医長:村井 正 先生
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