ほし・うちゅう
Q. 人工衛星(じんこうえいせい)は、どのように打ち上げるのですか? (小6・おとこ)
A.

キミがボールを投げるとしたら、どれくらい速く投げられますか?もしキミがイチローや佐々木選手だったとしても、そしてたとえ大砲(たいほう)使ったとしても、げんかいがあるよね。

でも、玉を投げるスピードをどんどん速くできるような機械を作って、スピードをどんどん上げていくと、あるスピードからボールが地面に落ちずにずっと飛びつづけるスピードになるんです。そのスピードは「1秒間に8キロ」ボールがすすむスピードで、「第1宇宙速度(だいいちうちゅうそくど)」といいます。

これがどれくらい早いかというと、マラソンで走る42.195キロのきょりを5秒ぐらいで飛んでいくぐらい。人間だと男子の世界記録でも2時間ぐらいだから、すごく速いよね。

では、このスピードになるとどうしてボールは落っこちてこないのでしょうか。ふつうにボールを投げると、さいごにボールは落ちるよね。これが、1秒間に8キロメートルすすむ速さになると、地球の丸みとボールが落ちるときのカーブが同じ曲がりぐあいになって、落ちようにも落っこちてこれなくなるんです。

だから人工衛星の打ち上げは、まずロケットである高さまで打ち上げて、そこから水平(すいへい)に毎秒8キロメートルで投げ出すんです。ちなみに、おまけの話なんだけど、「1秒間に11キロメートル」すすむスピードを「第2宇宙速度(だいにうちゅうそくど)」といいます。これは、地球の重力(じゅうりょく)をぬけだして、宇宙にとびだすことのできる速度です。


宇宙科学研究所:的川 泰宣 先生

[戻る]