ほし・うちゅう
Q. 宇宙で花火を上げたら、日本で見ることはできるんですか。 (小5・女)
A.

すごいことを思いついたね〜。スペースシャトルなどでは、火の気のあるものは基本的に持っては行けないんだけど、もし宇宙で花火を上げてみたら、これは確実に見ることができます。

実は、ぼくたちが1990年に打ち上げた「ヒテン」という探査機(たんさき)があったんだけど、寿命も終えて仕事も終わったからということで、月に落としたことがあったんですね。そしたら花火のようにドーンと光が散ったんです。その様子を、オーストラリアの天文台では観測することができました。そう考えてみると、月に「ヒテン」を落としたときの光は、お月さまから地球に届いているということがわかるよね。

ほかには、何年か前に「シューメーカーレビー」というすい星が木星にぶつかったときがあったんだけど、この光も、ちゃんと人工衛星なんかで記録しているんだよ。このようにして、光は宇宙から地球へと届いているんです。これが「X線」なんかだと、大気に吸収されてしまって届かないんだけどね。

あとね、むかし宇宙人に人間がいることを知らせようとして、シベリアに大きな三角形を作ったの。「ピタゴラスの定理」というのがあって、この法則なら宇宙人でも知っているにちがいないということで、この大きな三角形に火をつけて、月にいる人や火星人に知らせようとしたこともあったんですよ。だから宇宙では、実際に花火を打ち上げることはできないけど、もし上げたとしたらちゃんと見えるってことです。


宇宙科学研究所・的川 泰宣 先生

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