ほし・うちゅう
Q. 人工衛星は何を動力にして動いているの? (小4・男)
A.

確かに、人工衛星はすごいスピードで飛んでいるよね。でもね、人工衛星は自分の力で飛んでいるんじゃないんです。他からスピードをもらって飛んでいるんですね。

じゃあどこからスピードをもらうかというと、それはロケットなの。人工衛星を宇宙に飛ばす時というのは、ロケットの先に人工衛星を入れているんです。そしてロケットと一緒に飛んでいって、そのロケットのスピードをもらうんですね。

人工衛星の速度は1秒間にだいたい8キロメートルのスピードなので、例えばマラソンの距離の42.195キロだとだいたい5秒ぐらいで進んでしまいます。シドニーオリンピックの女子マラソンで優勝した高橋尚子(たかはしなおこ)選手でさえ、2時間以上かかるから、人工衛星がどれだけ速いかわかりますよね。それくらいのスピードをロケットと一緒に飛びながらもらっておいて、そのうち人工衛星はロケットから離れていきます。

これぐらい速いスピードを最初にもらっておけば、後はほうっておいても地球の周りをまわれます。だから人工衛星は、前に進むために使うような大きな動力は持っていません。星の観察の時などに自分の向きを変える程度の小さな動力しか持っていないんですよ。


宇宙科学研究所教授・的川 泰宣 先生

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