ほし・うちゅう
Q. 人工衛星は、宇宙の中でぶつかったり、ぶつかった拍子にどこかに飛んでいったりしてしまわないのですか? (小4・女)
A.

宇宙のような広いところでも、何かにぶつかることはあるんですよ。

例えば、「宇宙のゴミ」と言われるもの。大きいものは、使い古した人工衛星やいったん打ち上げられたロケットなどがすごいスピードで飛んでいます。粗大ゴミが宇宙をまわっているようなものですよね。もちろん中には小さなゴミもあります。大きなものから小さなものまで全部でどれぐらいあるかというと、250万個ぐらいだと言われています。

でね、大きなものは、地上からレーダーで調べると、地球のまわりのどのあたりを通って飛んでいるか、という「軌道(きどう)」が全部分かるんですよ。ですから、スペースシャトルなどは、地上のレーダーで「このまま行くとぶつかるかも知れない」ということがわかると、自分で自分の軌道(きどう)を修正してぶつからないようにしているんですよ。これを「回避行動(かいひこうどう)」と言います。

ただ、小さなゴミだといちいちよけるわけにはいかないので、ぶつかってしまいます。だから地球に戻ってくると、窓には小さなひびがいっぱい入っています。それに、いくら小さいといってもすごいスピードでぶつかるわけだから、穴があくこともあるんですよ。まぁ、スペースシャトルの窓は何重にもなっているので、1枚に穴があいてもたいていは次の窓で止まるんですけどね。ですから、レーダーできちんと見てコントロールしていれば、どこかに飛んでいってしまうほど大きな衝突をすることはほとんどありません。でも、衝突が全くなかったわけではなくて、昔、フランスの通信衛星がロケットのゴミとぶつかって壊れてしまったことがありましたね。


宇宙科学研究所・的川 泰宣 先生

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