ほし・うちゅう
Q. 宇宙へは、宇宙飛行士にならないと行けないんですか? (小5・おとこ)
A.

お姉さん:宇宙飛行士になりたいの?

こども:なる気はないんだけど、宇宙には行ってみたいの…。

そうかぁ、確かに、10年ぐらい苦労して、宇宙にいるのはたった1週間とか2週間だけという宇宙飛行士の人もいますからね…。人生全体を考えると、あまり割のいい職業じゃないかもしれません(笑)。
今まで行った人は、やはり宇宙飛行士の訓練をアメリカかロシアで受けた人です。でも、おそらく21世紀になれば、訓練なしでも行ける、ジェット機に乗れる人だったら行ける、という時代が割と早く来るんじゃないかと思いますよ。現実に、毛利さんや向井さんはスペースシャトルで行ってますよね。
スペースシャトルが飛んでいくときには、体に「G(ジー)」っていう加速度がかかるんですけれど、それは自分の体重の3倍ぐらいの重さぐらいの力なんです。だけど、ガガーリンという人が初めて宇宙に行ったときは11Gぐらいかかってるんですよ。自分の体が10倍以上の重さになるんですから、それはもう、ものすごく激しいジェット訓練を受けてないと耐えられないんです。
それに比べると、今の3Gという重さは普通の人でも耐えられるんだそうです。毛利さんたちにもサバイバル訓練という訓練はあるんですけど、それは、まさかの時になんとかうまく生き延びられるような激しい訓練なんですね。
でも、それ以外の訓練は普通の人でも耐えられるくらいの訓練だそうなので、半年ぐらい一生懸命訓練すれば、ごく普通の人でも行ける…そのうちあと30年くらいするとね。だからあなたは、宇宙飛行士にならなくても宇宙に行けると思いますよ。修学旅行で宇宙に行く、というのには間に合わないかもしれないけどね(笑)。
今、スペースプレーンという乗り物が考えられていて、これは、ジェット機のように飛び立ったあと、途中からロケットになって、またジェット機になって帰ってくるという乗り物なんですよ。これだと、日本からアメリカまで2時間で行けるようになるんです。これはもう、必ず誰もが乗れるようになると思いますよ。
キミが建設会社なんかに就職したら、月面基地に単身赴任とかね(笑)、そういうことが起こるかもしれないですよ。楽しみにしててね。

宇宙科学研究所 教授・的川 泰宣 先生

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