ほし・うちゅう
Q. きのう、H2ロケットの打ち上げが失敗したけど、そのロケットはどうなってしまったの? (小2・おとこ)
A. その質問、くるんじゃないかと思ってたんだよ(笑)。「H2型」っていう日本の独自の技術で開発したロケットだったんですけども、きのうの打ち上げは失敗しちゃいましたね。
まずね、ロケットっていうのは、打ち上げに成功したとしても、1回きりの使いきりなの。ロケットの役目っていうのはロケットの先っぽに人工衛星をのせて、宇宙へ持っていくことなの。人工衛星を宇宙へ送り出したらそれで役目は終わるのね。ロケットは最終的には、宇宙へ行ってから地球に戻ってくるんだけども、その時に、地球を取り巻いている大気の層で燃えつきてしまうんです。
で、問題は、頭の所に積んであった人工衛星が、ちゃんと予定の軌道にのって、役目をはたすかってことなわけ。それがロケットの仕事だから。
ところが今回は、2段目のロケットが思うように力を出せなくて、積んでいた人工衛星を予定していた軌道の高さまで送り出すことができなかったわけ。それで失敗っていうことになってしまったんだよね。ロケットはそうやって1回きりで終わりなんだけど、キミに心配してほしいのは、ロケットよりむしろ役に立たなくなってしまった人工衛星のほうだよね。
本当は3万6千キロっていう高い軌道まで行くはずがね、そのずっと手前のほうでいまウロウロしているからこのままにしているとゴミになっちゃうんだよね。これが大きな問題なんだよね・・・。

科学ジャーナリスト・中村 浩美 先生

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