ほし・うちゅう
Q. 宇宙服はどういう素材で作られていて、何億円ぐらいかかるんですか? (小5・おんな)
A.

そうですね、まず、宇宙服にもいろいろな種類があるし、目的もいろいろとあるのね。例えば、息をするために必要な空気が宇宙に逃げないようにするためとか、宇宙では温度の変化がものすごく激しいので、その変化から人間の身体を守るためとか、宇宙に飛んでいる様々なゴミや放射線が、人間に直接当たるのを防ぐためとか、重要な目的がたくさんあるんです。
なので、それぞれの目的に合った材料が、いろいろと使われるんですよ。ですから、宇宙服っていうと、一見、布一枚で作ってるように見えるけど、実はアルミとかカプトンとかっていう、いろいろな素材がいくつも重なっていて、11層ぐらいで出来ているんです。昔、十二単衣(じゅうにひとえ)という着物があったけど、まさにああいう感じなの。
じゃあ、その宇宙服はいったいいくらぐらいか、ということだけど、これはね、値段を付けるのはなかなか大変なんです。
どうしてかというと、今、ちゃんとした宇宙服を持っているのはアメリカとロシアなんだけど、それぞれ、たくさんの人たちが時間をかけて研究をして、作り上げてます。
その間にかかったお金を全部、宇宙服の値段とすると、これはもう計算できないくらい無限大になっちゃうんですよ。でも、もし「売って下さい」と交渉したらどうなるかというと、少なくとも数十億円にはなるだろうって言われてます。
だけど宇宙服っていうのは、ほぼオーダーメイドなんですね。一人一人の指の長さまで考えながら組み合わせていくものなので、ポッと買ってきても、そのまま着るのは難しいと思いますよ。
それと、宇宙服というのは実はものすごく重くて、なんと百数十キロもあるんです。だから、宇宙の無重力状態で着るのであればどうってことはないんだけど、地球上で着ようと思ったら、とてもじゃないけど歩けないよね。

宇宙開発事業団 主任医師・村井 正 先生

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